水曜、SAPが2.42%安の$211.68で終えた。超大型株の下落率で上位に入っている。
きっかけは決算ではない。UBSが投資判断をBuyからNeutralへ引き下げたことだった。
数えられてしまった、17体という数字
格下げの理由は2つある。ひとつはクラウド受注残の伸びが下期に鈍るという見立て。もうひとつが、AIエージェントの提供の遅れである。
同社は、顧客が箱から出してすぐ使えるAIエージェントを年内に200体そろえると掲げていた。実際に一般提供されているのは17体だと、UBSは指摘した。
約束の数を掲げると、達成率がそのまま採点表になる。AIを語る会社は多いが、体数で数えられる形にしていた分、遅れも数字で見えてしまった。
欧州のソフト全体に広がった
売られたのはSAPだけではない。
設計ソフトのダッソー・システムズが一時2.7%安、英セージも3%を超えて下げた。SAPは欧州の業務ソフトの代表であり、その提供の遅れは業界全体の実装速度への疑いに読み替えられる。
同じ日、米国ではズームがAIの機能を伸ばしながら次の四半期の利益見通しを下げて7.03%安になっている。AIで単価は上げられても、それが全体の成長に届くかは別の話だった。
見ておくのは、200体に近づく速さ
次に見るのは、残り183体がどの速さで出てくるかである。
エージェントは点数を稼ぐための数ではなく、顧客が業務で使えて初めて売上に変わる。数がそろっても使われなければ、次に問われるのは利用率になる。この日の市場全体の動きは朝刊にまとめている。
