規制の矛先が、倉庫でも配送でもない場所に向いた。
米連邦取引委員会(FTC)がアマゾン・ドット・コムを提訴する方針だと報じられた。争点は、同社のサイトに出品する事業者が払う広告料金である。
FTCは、その料金がひそかに操作されていたと見ているとされる。
なぜ広告が急所なのか
アマゾンといえば通販と物流の会社に見える。ただし利益の出方は、その印象とかなり違う。
商品を仕入れて売る事業は、売上こそ大きいが利ざやは薄い。対して広告は、すでにある集客の上に載るため、売れた分がほぼそのまま利益になる。
出品者から見れば、検索結果の上に出るかどうかが売上を左右する。だから広告費を払う。その料金の決め方が不透明だったのではないか、というのが今回の論点である。
売上の何%が消えるか、という話ではない。利益率の高い部分に手が入る、という話だ。
株価は2.50%安。ただしこの日は全体が重かった
株価は2.50%安の$259.77だった。
ここは切り分けが要る。この日は米軍とイランの応酬で原油が3.86%上がり、10年債の利回りは4.76%まで上昇した日である。
インフレ懸念から金利の先行きが読みにくくなると、遠い将来の利益で評価される株から売られる。アルファベットも2.09%安、マイクロソフトとアップルも下げ、ナスダックの戻りを抑えた。
AMZNAmazon▼2.50%
GOOGLAlphabet▼2.09%
TSLATesla▲5.51%
つまり2.50%安のすべてがFTCの話ではない。ただし超大型株の下落上位に並んだ点は、材料が効いたことを示している。
見ておくべきは、実際に訴えが起こされるか
現時点では報道の段階である。FTCが正式に提訴したという発表は出ていない。
確かめたいのは3つある。訴えが本当に起こされるか、対象が広告の料金設定だけにとどまるか、そして同社が広告の仕組みを変えるかどうかである。
規制の話は結論が出るまで年単位かかる。それでも市場が反応するのは、利益のいちばん濃い場所に触れているからだ。
市場全体の動きは朝刊にまとめている。
