待っていた条項が、法案に入っていなかった。
カリフォルニア州議会は土曜、山火事への対応を見直す法案を出した。電力会社の株主が期待していたのは、火災の賠償責任を会社から切り離す仕組みである。
それが入らなかった。
責任を移す案は2つとも通らなかった
落ちた案は2つある。
ひとつは、上場する電力会社の賠償責任そのものを軽くする条項。もうひとつは、保険会社が契約者に払った分を電力会社へ請求する権利、いわゆる代位求償権を制限する案で、こちらは法案が出る前に退けられていた。
結果として、設備が火元になったときの構図は変わらない。過去の火災も、これから起きる火災も、請求は会社に向かう。
金額に上限が見えない、という点が重い。
EIXEdison International▼23.07%
PCGPG&E▼20.06%
SRESempra▼3.10%
エジソンは2001年の電力危機以来で最悪の1日
エジソン・インターナショナルが23.07%安の$53.98で、下げ幅は2001年のカリフォルニア電力危機以来で最大となった。少なくとも3社の証券会社が投資判断を引き下げている。
PG&Eは20.06%安の$13.27だった。同社は2019年、山火事の賠償を抱えて破産法の適用を申請した経緯がある。その記憶が値動きに乗った形である。
株式だけではない。両社の社債について、国債に対する上乗せ幅が広がったとブルームバーグが報じている。返済能力そのものが見直されたということだ。
センプラも3.10%安と連れ安した。
売られたのは業種ではなく、火災を抱える会社だけ
注意して見たいのは、公益事業セクター全体が0.22%安にとどまった点である。
- エネルギー▲1.38%
- 公益事業▼0.22%
- 情報技術▼0.32%
- 金融▼0.35%
- ヘルスケア▼0.49%
- 素材▼0.56%
- 不動産▼0.68%
- 資本財▼0.68%
- コミュニケーション・サービス▼0.72%
- 生活必需品▼0.73%
- 一般消費財▼1.01%
電力株がまとめて売られたわけではない。売られたのは、カリフォルニアで火災の賠償を負う会社に限られている。
これは業界の景気の話ではなく、州の制度が決める話だからだ。同じ電力会社でも、どの州で送電線を持っているかで意味が変わる。
見ておくべきは、法案が動くかどうか
この法案はまだ審議の途中にある。条項が加わる可能性も、このまま通る可能性もある。
投資家が見るのは、州が「火災の費用を誰に負わせるか」をどこで線引きするかである。設備を持つ会社に全部を負わせれば、その会社の資金調達の条件が悪くなり、最後は電気料金に戻ってくる。
市場全体の動きは朝刊にまとめている。
