火曜の主役はメモリ株だったが、静かにもう一つの総立ちが起きていた。金属だ。銅先物は3.66%高の1ポンド$6.53と5週間ぶりの高値。銀は3.99%高の$59.07で$60に迫り、金先物は$4,082まで上げた。素材セクターは+2.97%で11業種の首位——1カ月では最下位に沈んでいた組の、急な反転だった。
銅の値動きの根っこには「現物が足りない」がある。中国では輸入プレミアムが1トン$100まで上がり、スクラップの供給も細った。世界最大の産銅国チリの5月の生産は前年比12.94%減。そこに米国特有の事情が重なる。2027年から精錬銅に段階関税(15%、翌年30%)がかかる予定のため、その前に地金を米国へ運び込む動きが続き、COMEXの銅在庫はこの1年半で約8倍の65万トン規模に積み上がった。倉庫が膨らむほど、他の市場では現物が締まる構図だ。
鉱山株は素直に反応した。銅最大手のフリーポート・マクモランが6.41%高、サザン・コッパーは7.39%高。銀のヘクラ・マイニングは7%高、金のニューモントも3.69%上げた。銀は6年連続の世界的な供給不足が続いており、値上がりが投資マネーを呼ぶ循環に入っている。
見ておきたいのは、この上げの「行き過ぎ」の側だ。投機的な買いの積み上がりを持続不可能と見る声もあり、AIデータセンターの銅需要という長期の物語と、短期の過熱は分けて読む必要がある。
出典: Trading Economics(7/21・銅が5週間ぶり高値、中国現物逼迫) / Yahoo Finance(7/21・銀$59台、金属総立ち) / InteractiveCrypto(チリ5月銅生産12.94%減) / TradingKey(COMEX銅在庫65万トン規模・ゴールドマンの見通し) / Silver Institute(銀の6年連続供給不足)
