火曜の原油は、朝と夕方で別の顔をしていた。ロンドン時間の早朝は停戦仲介の報道で一時1%下げたが、その後に流れが反転。WTIは+2%超の$84.7前後(終値ベースでは$85.03)と、6/12以来の高値で3日続伸した。ブレントも$91台に乗せた。
停戦の紙と、飛んでくる何か
反転のきっかけは海の上だった。英国の海事機関UKMTOによると、ホルムズ海峡付近でタンカー1隻が正体不明の飛翔体に被弾し、乗員はライフボートで退避した。前日にはフーシ派のサウジアラビア海上封鎖宣言を受けて、アジアへ向かうサウジの原油タンカー2隻が紅海で反転している。米国とイランの攻撃の応酬は、この日で10日目に入った。
一方で、出口を探す動きも初めて形になった。イラン高官はロイターに対し、カタールやオマーンなど仲介国から「10日間の停戦案」の提示を受けたと認めた。狙いは先月署名した覚書の立て直しと、ホルムズ航路の再開だという。紙の上では停戦へ近づき、海の上では危険が増す──この綱引きが、いまの原油の値段そのものだ。
株はどう動いたか
エネルギーセクターは+1.94%と、首位の素材に次ぐ2位に入った。エクソンモービルが2.3%高の$151.71、オキシデンタルも2.4%高。シェブロンは0.7%高と出遅れたが、先週から「海峡を通らない道」を探し始めた当事者でもある。
見ておくべきは、停戦案へのイランの正式な回答と、タンカーが実際に海峡を通れているかどうかだ。前日のフーシ派の封鎖宣言以降、危険は「通り道」全体に広がっている。停戦が実現すれば原油は急速に値を崩す余地があり、決裂すれば$85は通過点になる。
出典: Trading Economics(7/21・WTIが6/12以来の高値へ3日続伸) / Reuters(7/21・タンカー被弾とサウジ船2隻の反転、WTI終値$85.03) / Bloomberg(7/21・米イランの応酬10日目、仲介国が停戦案)
