株が全面高になった月曜、超大型株で最も下げたのはアストラゼネカの6.88%安だった。
理由は決算ではない。ブリストル・マイヤーズとの統合に向けた初期段階の協議に入ったと報じられたためで、合わせれば$400B近い規模になると伝えられている。実現すれば製薬では過去最大級の組み合わせだ。
$400Bの統合が、なぜ売り材料になるのか
買収の報道で買われるのは普通、買われる側である。この日ブリストルは0.24%高とほぼ動いていない。売られたのはアストラゼネカのほうだった。
投資家が引っかかったのは3つある。1つは、統合の規模が大きいほど独占禁止の審査が長引き、その間は経営の手が塞がること。2つは、$400B規模の組み合わせに見合う対価をどう払うのかという負担の話。そして3つ目が、いちばん本質的なところで、アストラゼネカはそもそも大型の統合を必要とする会社なのかという疑いだ。
自前の開発で伸びる筋道を持っている会社が、外から売上を買いに行くと市場に受け取られると、成長の質そのものが問い直される。この日の下げはその問い直しにあたる。
リリー2.39%安・アッヴィ2.33%安が続く
背景として、大型の薬にはここ数日資金が入っていない。この日もイーライリリーが2.39%安、アッヴィが2.33%安。先週木曜には決算を出した各社が、売上が伸びていても費用と見通しの側を見られて売られている。
AIへ資金が集まる局面で、ヘルスケアは資金の逃げ先として買われることもあれば、こうして置いていかれることもある。この日は後者だった。11セクターで10が上げた中、ヘルスケアは1.57%高と上げてはいるが、大型の薬に限ると逆を向いている。
7%動いたのは、まだ報道の段階にすぎない
注意しておきたいのは、これが初期段階の協議の報道であって、両社とも交渉の継続を認めていないことだ。ロイターは事情に詳しい人物の話として協議があったと伝えているが、成立を前提にした話ではない。
製薬の大型統合は、発表から完了まで1年以上かかることが珍しくない。報道の段階で株価が7%動いたという事実は、市場がこの組み合わせをどう見ているかの答え合わせとしては十分だが、投資判断の材料としてはまだ足りない。次に見るべきは、両社が正式に何かを認めるかどうかである。
