エヌビディアは月曜、アポロ、ブラックロック、ブラックストーン、ブルックフィールド、ゴールドマン・サックス、KKRの6社と覚書を結んだと発表した。顧客がAIインフラを建てる資金を、この6社から$500B超の規模で動員する金融の仕組みを作るという構想だ。
チップを売る会社が、チップを買う客の資金調達まで面倒を見る。発表だけ聞けば需要を広げる一手だが、市場の反応は売りだった。株価は2.86%安、時価総額にして約$130Bが1日で消えた。
$500Bの構図が「循環」に見えた
売られた理由は、この構図がcircular(循環的)に見えることだ。客がエヌビディアのチップを買う金を、エヌビディアが用意した枠組みから借りる。売上は立つが、その裏付けは客の借金であり、借金の呼び水を作ったのは売り手自身——AIブームの持続力を疑う人にとって、これは需要の強さではなく弱さの証拠に見える。
前週にスペースXが決算で見せた「半年で$23BのAI投資」も、市場が最初に見たのは金額の勢いではなく支出の速さだった。AIの数字が大きくなるほど、市場の目は誰が最後に払うのかへ移っている。
売りは半導体全体へ広がった
売りは半導体全体に広がった。この日$15Bの公募増資を発表したインテルは、1株価値の希薄化も重なって4.06%安。予想PERが70倍を超えるARMは5.21%安と主要銘柄で最大の下げになった。決算後の警戒が残るAMDも2.86%安。いずれも「AIの金の流れ」に関する不安と地続きの銘柄だ。
半導体株が「どこで稼ぐ会社か」で性格が分かれることは半導体株の解説に整理した。金の出所を疑う相場では、この違いが下げ幅の違いになって現れる。
