まず、飛んだ3営業日を短く回収する。木曜の米国株は雇用統計待ちで小幅安。金曜、その7月雇用統計が予想外の答えを出した。雇用者数が2.3万人の減少(市場予想は8.3万人増)となり、失業率は4.1%。景気には悪い数字だが、市場は「これで利上げは当面ない」と読み、S&P 500は0.62%高の7,757.64で最高値を更新した。週間ではS&P 500が3.6%高、半導体の戻りでナスダックは5.2%高。スペースXが国防総省の$1.6B契約で15.83%高になったのも金曜だ。
そして週明け月曜。指数は静かだった。S&P 500は0.06%安の7,753.11、ナスダックは0.32%安、ダウは0.11%安。だが中身は激しい。11セクターの騰落は、エネルギーの3.53%高から情報技術の1.01%安まで大きく割れた。
3つのポイント
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ホルムズの「言葉」が崩れ、原油5%高:前号まで追ってきた海峡再開の協議が、まとまらない方向に振れた。トランプ大統領は「イランとは半分だけ交渉している状態」と述べ、イラン側は海峡の管理権維持や通行料の徴収を再開条件として要求。早期再開への期待が剥げ、WTI原油は5%急騰して$82.13になった。シェブロンが4.48%高、エクソンモービルが4.41%高、原油高の恩恵を受けるAPAは9.01%高。海峡を通らない米国産LNGの輸出拠点を持つシェニエール・パートナーズも3.96%高と、エネルギーは全面高になった。
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エヌビディアの$500B構想は好材料にならなかった:エヌビディアはアポロ、ブラックロック、KKRなど6社と組み、顧客のAIインフラ建設に$500B超の外部資本を動員する構想を発表した。しかし市場の反応は売りで、2.86%安、時価総額にして約$130Bが消えた。「自社チップの購入資金を自ら用立てる循環的な構図ではないか」という警戒だ。売りは半導体全体へ波及し、ARMが5.21%安、この日$15Bの公募増資を発表したインテルは希薄化も嫌気されて4.06%安。決算を控えたコヒレントは14.24%安と、AI光通信の急騰組が持ち高整理の先頭に立った。
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守るAIは買われた:同じAIでも、サイバーセキュリティは逆に動いた。ラスベガスのセキュリティ会議Black Hatで「AIエージェントが最大の攻撃経路になった」との報告が相次ぎ、守りへの支出拡大観測からパロアルトネットワークスが5.82%高で上場来高値、クラウドストライクも最高値を更新。ルーブリックが8.70%高、決算で急落していたデータドッグも11.48%高と戻した。攻めるAIが売られ、守るAIが買われた1日だ。
このほか、買収の発表が3件重なった。ボウマン・コンサルティングは1株$43の現金買収合意で55.78%高、バレックス・イメージングはTeledyneによる約$1.1Bの買収で48.75%高、マリンマックスも1株$53の買収合意で46.08%高。小型株の決算裁きも厳しく、アクセンドラ・ヘルスは見通し引き下げで1日で半値になった。
指数だけ見れば何もなかった月曜だが、油とAIの金の流れが同じ日に逆方向へ動いた。AIの買い手だったスペースXは国防総省という新しい客に買われ、AIの作り手エヌビディアは客の財布を自分で作りにいって売られた。金の出所を市場が見始めている。
