長く止まっていた投資が、動き出そうとしている。
ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によれば、シェブロンとハリバートンがベネズエラの油田へ数十億ドルを投じる交渉の最終段階に入った。
原油価格はほぼ動いていない。上げたのは、現地で仕事をする会社の株だった。
シェブロンは重質油の合弁を広げ、隣の鉱区も取る
内容は具体的である。
シェブロンはオリノコ油帯にあるペトロインデペンデンシア合弁で重質油の権益を広げ、あわせてペトロピアール合弁の隣接するアヤクチョ8鉱区の開発権を得る見通しだという。
同社はベネズエラ国営のPDVSAと3つの合弁を持ち、現地で操業を続ける唯一の米国石油大手である。制裁と政変をまたいで残った一社が、そのまま拡大の受け皿になる。
ハリバートンは油田サービスの側から入る。産油会社へ掘削や仕上げの設備を持ち込む交渉に入っているとされる。
SLBSchlumberger▲4.22%
HALHalliburton▲1.94%
CVXChevron▲1.05%
BKRBaker Hughes▲0.48%
株価はSLBが4.22%高で最も大きく動いた。同社は今回の報道に名前が挙がっていないが、同業として連れ高した形である。ハリバートンが1.94%高、シェブロンが1.05%高、ベーカー・ヒューズが0.48%高だった。
狙いはオリノコ油帯の重質油。米国の製油所はそれを前提にできている
政策の側から見ると、話は精製所につながっている。
米国の製油所には重質油を前提に作られた設備が多い。軽い原油が国内で増えても、重い原油は輸入に頼る構造が残る。その調達先を西半球に寄せられれば、輸送距離も政治的な依存先も短くなる。
米政権は1月から米国の石油会社にベネズエラへの投資を促してきた。数か月かかった交渉が形になれば、外交とエネルギーの両方で成果と位置づけられる。
まだ交渉段階。エネルギーは0.57%安で織り込んでいない
注意が要るのは、これがすべて報道段階の話だという点だ。
契約が結ばれた、と会社が発表したわけではない。金額も期間も確認されていない。制裁の枠組みがどう扱われるかも示されていない。
エネルギーセクター全体はこの日0.57%安で、上げたのは油田サービスの一角だけだった。市場も、まだ全面的には織り込んでいない。市場全体の動きは朝刊にまとめている。
