買収の交渉は、決裂ではなく無言のまま終わった。
投資会社アドベントと決済のストライプの陣営が、ペイパルの買収を断念したとブルームバーグが伝えた。提示額は$50Bを超えていた。
株価は12.71%安の$53.66。買収期待で数週間上げてきた分を、1日で戻した形である。
直近1か月の終値 (日足)。緑=前日より上げた日、赤=下げた日30日 $54 〜 $62
ペイパルの1か月。買収期待で積み上げた上げを、報道の1日で戻した
断られたのではない。1株$60.50に返事が来なかった
経緯には引っかかる点がある。
ロイターの報道によれば、提示は1株$60.50で総額$53B超。ペイパルの取締役会はこれを安すぎると判断し、正式な回答をまだ返していなかった。
つまり交渉が決裂したのではない。買い手のほうが、返事を待つのをやめた。
3社で来て、1社ずつ降りた
陣営はもともと3社だった。
4月にブロック、ストライプ、アドベントの3社でペイパルに接触している。その後ブロックが先に抜け、残るストライプとアドベントが今回の提案を出した。今回、その2社も降りたことになる。
成立していれば史上最大級のLBO——借入を使った買収——になるはずだった。決済という、現金の流れが読みやすい事業は本来この手法と相性がいい。それでも$50B規模の資金を積み上げる話は、金利が上がる観測が強まる週にはまとまらなかった。
決済各社の金曜前日比・8/28
PYPLPayPal Holdings▼12.71%
XYZBlock▼1.51%
VVisa▲0.51%
MAMastercard▲0.60%
同じ日、ブロックは1.51%安。ビザは0.51%高、マスターカードは0.60%高と、こちらはほぼ動いていない。この日の下げはペイパル固有の話である。
買収期待が外れたペイパルを、市場は何で測り直すか
買収期待という支えが外れた以上、株価は事業の中身で評価し直されることになる。
同社が次に決算を出すまで、新しい材料はない。市場全体の動きは朝刊にまとめている。
