イエメンのフーシ派が月曜、サウジアラビアの船舶が紅海の入り口バブ・エル・マンデブ海峡を通ることを認めないと宣言した。米国とイランの軍事応酬は9日目に入り、原油はブレントで88ドル台、WTIで82ドル台へ一段高となった。
「非常口」の意味
先週までの相場の主題は、世界の原油の約2割が通るホルムズ海峡だった。サウジはこのリスクに備え、国土を横断するパイプラインで紅海側のヤンブー港へ原油を回し、日量450万バレル規模を輸出してきた。ホルムズが詰まっても紅海から出せる——この「非常口」があるから、原油相場はまだ落ち着いていられた。
フーシ派の封鎖宣言は、まさにその非常口を狙っている。実際に輸送が止まったわけではないが、ホルムズと紅海の両方が同時に危うくなるなら、話は「迂回できるか」から「出口があるか」に変わる。1週間前にシェブロンがホルムズを通らないパイプラインの検討を始めたばかりで、その迂回先も安全ではないことが示された形だ。
株と物価への効き方
エネルギー大手には買いが続く。シェブロンは1%超高、エクソンモービルも上げ、LNG輸出のシェニエール・パートナーズは2%超高となった。一方で原油高はガソリン価格を通じて物価を刺激する。この日は米10年債の利回りが4.6%台へ上がり、利下げ期待の後退が株全体の重しになった。
見ておくべきは、サウジの輸出が実際に減るかどうか、そして原油が90ドルに乗るかどうか。宣言だけなら脅しで済むが、輸送保険料の上昇が続けば、供給は静かに細っていく。
出典: フーシ派がサウジへの海上封鎖を宣言、原油供給への脅威拡大(NBC News 7/20) / フーシ派の封鎖はサウジの紅海輸出を脅かす(Quartz 7/20) / フーシ派、バブ・エル・マンデブ海峡のサウジ船通過を封鎖(UPI 7/20)
