決算で利益が予想を超えたのに、株価が2桁下げる。木曜のT-モバイルがその典型だった。10.8%安である。
数字だけ見れば悪くない。4-6月期のEPSは$2.99で、予想の約$2.59を大きく上回った。通期のフリーキャッシュフロー見通しも引き上げた。それでも売られたのは、成長の中身に市場が引っかかったからだ。売上は予想にわずかに届かず、契約の主力である後払いアカウントの純増は前年比13%減の27.7万件にとどまった。
決定打は、会社自身の言葉だった。T-モバイルは「高価格プランへの移行が、当面は加入者の伸びを圧迫する」と警告した。つまり、1人あたりの単価を上げる戦略が、新しい客を増やすことと引き換えになっている。値上げで既存客からの売上は増えても、その分だけ成長の勢いが鈍る——成熟した通信市場のジレンマが、はっきり言葉になった。
この採点は、T-モバイル1社の話にとどまらない。同じ通信・ケーブル業界のベライゾンやコムキャスト、チャーターも、加入者の伸びが頭打ちになる同じ構造を抱える。「客単価を上げるか、客数を増やすか」の二択で、市場は今、単価だけの成長に厳しい点をつけ始めている。
見ておきたいのは、次の四半期に加入者数がどう動くかだ。単価上昇が一巡し、加入者の伸びが戻れば杞憂だったことになる。戻らなければ、成長の天井が本物だという証明になる。
出典: T-Mobile(7/23・Q2決算プレスリリース) / CNBC(7/23・T-モバイル加入者成長の鈍化) / Reuters(7/23・通信株の反応)
