木曜の相場には、きれいな分岐があった。AIに巨額を投じる「払う側」が総崩れする一方で、その投資を受け取る「部品側」は買われたのだ。
象徴的だったのは、テスラの決算説明での一言だ。イーロン・マスクが「メモリー価格は常軌を逸している」と語った。テスラにとっては費用の高騰という愚痴だが、裏を返せばメモリーがそれだけ引っ張りだこだという証言でもある。同じ日、マイクロン・テクノロジーは3.2%高、韓国のSKハイニックスのADRは6%高となった。AIデータセンターの需要でメモリーの品薄が続いている構図が、株価に出た。
この分岐は、前日からの物語の続きでもある。水曜はスーパーマイクロの$60Bの受注でAIサーバー株が総立ちになり、木曜はアルファベットとテスラの設備投資が嫌気されて「払う側」が崩れた。スーパーマイクロ自身はこの日も2%続伸し、データセンターの電源を担うGEヴァーノヴァは前日の急落から4.7%反発した。AIの請求書を払う側が疑われるほど、それを受け取る側の存在感が増している。
読み解くべきは、この関係の持続性だ。メモリーやサーバー、電源といった「受け取る側」の好調は、メガキャップの設備投資が続く限り成り立つ。もしアルファベットやアマゾンが投資を絞れば、感謝されていた部品会社にも逆風が回ってくる。払う側と受け取る側は、同じコインの裏表だ。
出典: Yahoo Finance(7/23・メモリー株が上昇) / CNBC(7/23・テスラ決算とAI投資費用) / Bloomberg(7/23・GEヴァーノヴァ反発)
