木曜の米国株は大きく崩れた。S&P 500は1.21%安、ナスダックは2.15%安。前夜に出そろったテスラとアルファベットの決算の「答え合わせ」が、市場全体を沈めた。
決算の数字自体は悪くなかった。テスラは売上が25%増え、アルファベットはクラウドが82%も伸びた。それでも市場が反応したのは、その裏で膨らむAIへの設備投資——いわば「請求書」の金額だった。テスラは利益が予想を大きく下回って14.5%安、アルファベットは2026年の設備投資計画を$200B近くまで積み増したことが嫌気されて7.1%安。2社だけで数千億ドルの時価総額が消えた。
前日の水曜、スーパーマイクロの$60Bの受注でAIサーバー株が総立ちになったばかりだ。そのわずか一夜で、市場の視線は「AIの注文を受ける側」から「AIの請求書を払う側」へ移った。
3つのポイント
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AIの「払う側」が総崩れした:テスラはフリーキャッシュフローが赤字に転落して14.5%安、アルファベットは設備投資の増額で7.1%安。連想でアマゾンが4.6%安、オラクルは52週安値まで売られた。巨額投資の回収時期への懸念が、ハイパースケーラー全体に広がった。
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受け取る側と決算合格組には、資金が逃げた:同じ日、AI投資を受け取るマイクロンは3.2%高。決算で受注残が過去最高になった防衛のロッキード・マーチンが10.5%高、RTXが7.3%高。研究機器のサーモフィッシャーも8.7%高と、稼ぐ力を数字で見せた銘柄に買いが集まった。
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原油は$100を超えたのに、株は追いつかない:紅海でサウジ原油タンカー2隻が攻撃され、ブレント原油は7%高の$100.69と8週間ぶりに大台へ乗せた。ところがエネルギー株はほぼ無反応。中東の緊張が「一時的」と見なされ、供給不安が株価にまだ織り込まれていないことを示した。
補足
売られた側では決算の中身が厳しく問われた。半導体のSTマイクロエレクトロニクスは次の四半期見通しの弱さで18.7%安、通信のT-モバイルは利益が予想を超えても加入者の伸びの鈍化を警告して10.8%安。食料品のアルバートソンズは消費者の慎重化を理由に通期見通しを2割下げて21.6%安と、業界ごとに異なる弱点が同じ日にまとめて採点された。
買われた中小型も材料は明確だった。がん治療機器のノボキュアが過去最高の売上で28.4%高、鉄鋼のクリーブランド・クリフスは防衛向け鋼板の契約で16.0%高。全面安の中でも、決算で数字を出した銘柄は逆行高した。
出典: CNBC(7/23・テスラ・アルファベット決算で数千億ドルが消えた) / MarketBeat(7/23・テスラ14.5%安) / Lockheed Martin(7/23・Q2決算、受注残$230B) / Reuters(7/23・紅海タンカー攻撃でブレント$100超) / CNBC(7/23・アルバートソンズ通期見通し引き下げ)
深掘り
この日の重要テーマは、個別の記事に切り出した。
- サウジのタンカー2隻が撃たれ、ブレントは$100を超えた ── 8週間ぶりの大台、株価の方は追いつかない — 供給不安がまだ株価に織り込まれていない
- 弾薬庫が空になるほど、受注残は積み上がる ── ロッキード10.5%高とRTX7.3%高の「補充の戦争経済」 — 全面安の日に防衛だけが逆行高した理由
- 顕微鏡と試験管に、2年ぶりの追い風 ── サーモフィッシャー8.7%高が業界を総立ちにした — 落第させられていた研究機器の反転
- 暴落の日に、感謝された部品会社 ── 「メモリー価格は常軌を逸している」でマイクロンが買われた — AIの請求書を払う側と受け取る側の分岐
- 客単価を上げたら、客が増えなくなった ── T-モバイル10.8%安、利益は予想超えでも1日で崩れた — 通信の成長の頭打ちが同日に採点された
