光トランシーバーという部品がある。データセンターの中で、機器と機器を光の信号でつなぐ小さな箱だ。
AIの計算では大量のデータを何千台もの機械の間で行き来させるので、この部品が足りないと全体が止まる。地味だが、詰まると困る配管にあたる。
FCCは中国製の新規輸入を禁じる規則を用意している
米連邦通信委員会が、この部品の中国からの新規輸入を禁じる規則を起草していると、8月上旬に複数の通信社が報じた。年内の公表を目指しているという。
理由は安全保障だ。AIモデルを学習させる設備の内部に中国製の通信部品が入っていると、データの持ち出しや通信の妨害に使われうるという懸念が背景にある。
現在この市場では、中国のメーカーが世界シェアの3割近くを握っている。締め出せば、その分を誰かが埋めなければならない。
埋める候補として買われたのがAAOIだった
米テキサスに本社を置くアプライド・オプトエレクトロニクスが15.53%高になった。同社の4-6月期の売上は前年比86%増の$191.9Mで、5四半期連続の過去最高だ。
7-9月期の売上見通しは$255M〜$290M。毎秒800ギガビットや1.6テラビットを送る新型の需要が、2027年半ばまで自社の生産能力を超え続けるとしている。
連想は同業に広がった。ルメンタム・ホールディングスが5.19%高、光ファイバーの老舗コーニングが4.70%高だ。一方でコヒレントはほぼ横ばいで、買いは一様ではなかった。
見ておくのは増産にかかる時間
規制で空いた席に、すぐ座れるとは限らない。西側の供給者が中国の数量を置き換えるには12〜24か月かかるという見方がある。
材料の制約もある。この部品の土台になるインジウムリンは、中国が輸出の許可制を敷いている。締め出す側が、材料でつながっている状態だ。
朝刊で見たとおり、この日の半導体は資金の出どころで評価が割れた。光部品の場合、分かれ目は政策と生産能力になる。規則の正式な公表と、各社の増産計画が次の材料だ。
