金曜の朝に出た7月の小売売上高は、前月から0.6%減った。増加が9か月続いた後の、最初のマイナスだ。
同じ日に公表された8月の消費者信頼感も、7月の55.2から51へ落ちている。買う力より、買う気の方が先に折れた形だ。
原油は$82.89、給油代がほかの買い物を押し出した
背景にあるのは燃料代だ。米国がイラン港湾の封鎖を無期限に続けうると表明し、WTIは2%高の$82.89まで上げた。
ブレント原油は年初の$60前後から$88台まで来ている。給油で数十ドル多く払えば、その分が服や外食から引かれる。
株式市場でも、この日いちばん買われた業種はエネルギーだった。シェブロンは1.16%高、ハリバートンは4.81%高と、原油高の恩恵を受ける側に資金が向かった。
ディラーズ8.62%安、キンダーケア46.17%安
百貨店のディラーズは8.62%安。1株利益は市場予想を大きく上回った。
ただ、その中身には関税の還付という一度きりの要因が含まれていた。それを除いた売上は前年をわずかに下回っている。
保育施設を運営するキンダーケアは46.17%安と、半値近くまで下げた。施設の稼働率が68.6%まで落ち、通期の見通しも大きく引き下げている。
共働きの家庭が保育を削るのは、節約としては後回しにされやすい選択だ。そこが動いた意味は小さくない。
見ておくのは金利と物価の順番
もう一つ効いているのが長期金利だ。今週の30年債の入札利回りは5.216%と、25年ぶりの高さになった。
物価は2日続けて予想を下回ったのに、長い方の金利は下がらない。物価が落ち着いても、住宅ローンや自動車ローンの重さがすぐには軽くならないということだ。
朝刊で触れたAI投資の話が「借金の質」の問題なら、こちらは家計の借金の重さの問題になる。次の材料は9月に出る8月分の小売売上高だ。
