金曜の米国株は3指数そろって小幅安になった。S&P 500は0.17%安の7,785.76。前日つけた最高値の翌日に、上値が重くなった。
足を止めたのは消費の統計だ。7月の小売売上高は前月から0.6%減り、9か月ぶりのマイナスになった。8月の消費者信頼感も51へ下がっている。
ただ、この日いちばん動いたのは半導体だった。同じ「AIを借金で建てる」話で、ブロードコムは売られ、AMDは買われている。
ブロードコム5.94%安、$370Bの保証が数え直された
ブロードコムは6月、アポロとブラックストーンが主導する$35Bの資金でXPVという仕組みを立ち上げた。AI用の専用半導体を買い取り、顧客に貸し出す会社だ。
バンク・オブ・アメリカのアナリストは、この仕組みが20ギガワット規模まで広がった場合、2029年半ばまでに優先債務が$370Bに達しうると試算した。2027年だけで約$150Bの新規発行がいる計算になる。
借金を負うのはこの融資会社であって、ブロードコム本体ではない。ただ同社はSECに出した四半期報告書で、貸出料の肩代わりを5年間、最大$29Bまで引き受けると開示している。
同行は社債の投資判断も引き下げた。株価は5.94%安の$392.99で、$400を割り込んでいる。
AMDは6.50%高、自分の名前で$4.75Bを借りた
同じ日、AMDはAIとデータセンターの投資に充てる社債の条件を決めた。調達額は$4.75Bで、同社のドル建て社債としては過去最大になる。
金額だけを見れば、ブロードコムの保証枠より小さい。それでも、どこに債務が乗っているかが決算書の上ではっきり見える。
市場が反応したのはこの違いだ。目標株価を$625から$1,250へ倍にした証券会社の強気の見立ても重なった。
消費は9か月ぶりに減り、エネルギーが最も買われた
小売の数字が減った背景には、家計の負担の変化がある。8月の消費者信頼感も7月の55.2から51へ落ちた。
原因のひとつは原油だ。米国がイラン港湾の封鎖を無期限に続けうると表明し、WTIは2%高の$82.89まで上げた。
業種別の上げ幅ではエネルギーの1.61%高が最大だった。ガソリン代が上がれば、ほかの買い物は削られる。
装置株は5.12%安、メモリは3日続伸
装置株は売られた。アプライド・マテリアルズは過去最高の四半期売上でも5.12%安。中国向けの比率が縮んだ点が嫌われた。
一方でメモリは3日続けて買われた。サンディスクが7.39%高、シーゲイトは5.65%高だ。
同じ半導体でも、資金の出どころを疑われる側と、値上がりの恩恵を受ける側で評価が割れている。
