木曜、銅の値段が急に下げた。
ニューヨーク商品取引所の12月限は一時5.4%安の1ポンド$6.5160を付けた。前日は$6.8885で過去最高を更新したばかりである。
きっかけは、ホワイトハウスが進めていた銅への関税の計画が止まっているという報道だった。
4営業日で積み上げた関税の思惑が、報道1本ではがれた
なぜ報道ひとつでこれだけ動くのか。
理由は、直前までの上げが実需ではなく政策の思惑で作られていたからである。関税がかかれば米国内の銅は不足して高くなる——その読みで買われていた。
銅は4営業日続けて最高値を更新していた。計画が止まったなら、その4日ぶんの前提がまとめて外れる。
サザン・カッパー7.23%安、フリーポート6.59%安
SCCOSouthern Copper▼7.23%
FCXFreeport-McMoRan▼6.59%
TECKTeck Resources▼6.31%
BHPBHP Group▼5.31%
RIORio Tinto▼4.19%
サザン・カッパーが7.23%安の$194.14。この一日で時価総額が$10Bを超えて減った。
フリーポート・マクモランは6.59%安、テック・リソーシズは6.31%安である。BHPグループはニューヨークで5.31%安、リオ・ティントは4.19%安となった。
米国外の会社も同じだった。アントファガスタは店頭取引で7%安、アングロ・アメリカンとルンディン・マイニング、ファースト・クォンタムはいずれも6%を超えて下げている。
8月は大手鉱山50社が$357B増え、月間で過去最大だった
この下げは、記録的な上げ相場の直後に来た。
8月の一か月で、世界の大手鉱山50社の時価総額は$357B増えた。月間の増加額としては過去最大である。
金がおよそ10%上げ、銅が1ポンド$7に迫った。関税の思惑と金相場が同時に効いた月だった。
銀5.67%安、金1.30%安。金利の側からも重しがかかった
この日は、金属にとって重しがもう一つあった。
朝に出た8月の卸売物価が前年比5.4%高と今年いちばんの伸びになり、来週の利上げを織り込む動きが強まった。利息を生まない金属は、金利が上がるほど持ちにくくなる。
銀は5.67%安、金は1.30%安である。銅の材料と金利の材料が、同じ日に同じ向きで効いた。
次に見るのは、関税の計画が消えたのか遅れただけなのか
見るべきは、関税の計画が本当に消えたのか、遅れているだけなのかである。
止まった理由が発表されていない以上、いまの値段は「たぶん無くなる」という推測の上に乗っている。計画が復活すれば、はがれた分はまた戻る。
もう一つは中国の需要だ。政策の思惑が抜けたあと、値段を支えるのは実際に使われる量になる。
朝刊は9月11日号に。
