TCMD
Tactile Systems Technology保険請求を自ら引き受ける直販と、卸に任せる伝統的な流通を、リンパ浮腫と呼吸器という別の領域で使い分けている。一つの流通網に依存する医療機器会社とは、収益源の組み立て方が違う。
リンパ浮腫や慢性静脈不全に使う空気圧迫機器では、医師からの紹介を受け、保険請求まで自社で処理し、患者に直接届けて使い方を教える。この直販が売上の8割強を占める。もう一つの柱である呼吸器向けAffloVestは、認定を受けた在宅医療機器の卸を通す昔ながらの流通に乗せている。
保険の支払い基準が厳しくなれば、請求を自社で抱える分だけ影響がまともに出る。診断されにくい病気を扱うため営業の手間はかさむのに、一人当たりの単価は保険の枠に縛られる。
むくみという病気の認知を広げる患者教育と、保険適用の範囲を広げる交渉に人と金を厚く配る。買収したAffloVestの流通は自前化せず卸に任せたままで、直販の手を広げすぎない線引きが見える。
見落とされやすいリンパ浮腫の患者を医師に見つけてもらうことが出発点で、そこから保険が費用を認めるかどうかに収益が直結する。処方する医師を増やす営業の効率も、成長の速さを決める。
この会社をどう読むか
機器を作って売るだけでなく、保険会社への請求書までこの会社が書く。医師の紹介を受け、書類を整え、患者の自宅に届けて使い方を教えるところまでを自社で抱えている。
その対象は、手足にたまったリンパ液を空気圧で押し流す機器で、2025年12月期の売上$329.5Mのうち8割強がここから出ている。一方、2021年に買った呼吸器向けAffloVestは認定卸に任せたままだ。同じ会社の中に、手間をかけて患者に近づく売り方と、流通に預ける売り方が並んで残っている。
バランスシート (要約)
資産 $274M のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $219M(80%)。
借金が軽く手元資金も厚い。安全度は最高水準
- 現金・現金同等物$83M
- 他の流動資産$82M
- 固定資産$109M
- 流動負債$41M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $330M
- 売上成長率
- 12.5%
- 粗利率
- 75.9%
- 営業利益率
- 8.9%
- 純利益率
- 5.8%
- ROE
- 8.7%
- ROIC
- 10.6%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $43M
- フリーCF
- $40M
- 営業CFマージン
- 13.0%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
無配
配当を出さず、稼いだお金を成長のための投資や借入の返済に充てる段階です。利益を会社の中で再投資して価値を伸ばすことを優先しています。
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