ワークデイは、人事と財務のソフトを大企業に提供する会社だ。今年の株価は重かった。AIが人事や経理の仕事を置き換えれば従来型のソフトは要らなくなる——そんな警戒が業界全体を覆っていたからだ。
そこに、投資ファンドのシルバーレイクが買収を協議しているとロイター通信が報じた。株価は一時25%上げ、取引が止まるほど買いが殺到。終値でも17.78%高と、この10年で最大の上げになった。
実現すれば史上最大級のソフトウェア買収
報道によれば協議は数か月に及んでいるが、まとまる保証はない。それでも実現すれば、ソフトウェア企業の買収として史上最大級の規模になる。
意味は1社にとどまらない。買収ファンドが巨額の自己資金を賭けて「今のソフト株は安すぎる」と踏んだことになるからだ。
「次はどこか」の買いが業界に広がった
連想は同業に飛び火した。ハブスポットは決算の上振れも重なり14.46%高。ドキュサインは10.31%高、JFrogは10.59%高、GoDaddyも9.45%高と、AIへの警戒で売られてきた銘柄ほど大きく戻した。
買収が本当にまとまるかは分からない。ただ、「AIでソフトは終わり」という一方向の相場に、初めて反対側から大きな金が入った。この日は業界の空気が変わった日として覚えておきたい。
