月曜、米国はイランを標的にした世界規模の制裁を発動した。ベッセント財務長官はSNSでこれを「経済のDデイ」と呼び、敵対国に対する史上最大の金融攻勢だと述べている。中国も対象から外さないとされ、作戦名は「Operation Economic Outcast」である。
産油国への制裁である。普通なら原油は上がる。
実際には逆に動いた。WTIは2.39%安の$84.98で終えている。
制裁の方針は先週示され、原油はその時点で既に上げていた
理由は時間のずれにある。
制裁の方針が示されたのは先週で、原油はその時点で既に上げていた。月曜は中身が公表される日であり、市場が織り込む作業は前の週に終わっていた。上げた分を確定する売りが出た形である。
「材料が出た日に下がる」という動きは、材料が事前に知られている時に起きる。制裁のように予告されて実施されるものは、この形になりやすい。
エクソンモービル0.64%安、シェブロン1.06%安。石油株の下げは浅い
原油が2.39%下げた一方で、石油会社の株はそこまで下げていない。
エクソンモービルが0.64%安の$164.05、シェブロンが1.06%安の$203.09である。下げが目立ったのはオキシデンタル・ペトロリアムの1.94%安だった。
XOMExxon Mobil▼0.64%
CVXChevron▼1.06%
OXYOccidental Petroleum▼1.94%
原油の1日の値動きと石油株の値動きは、同じ幅では動かない。会社の利益は精製や販売も含む年単位の平均価格で決まるからである。
金は5月中旬以来の高値をつけた
同じ日、金は1.86%高の$4,710まで上がった。5月中旬以来の高値で、8月に入ってからの上げ幅は約15%になる。
押し上げているのは3つある。米財務省が長期国債の買い戻しを1回あたり$4Bへ倍増したこと、ドルが弱含んでいること、そして中東の地政学的な緊張である。金ETFへの資金流入と、各国中央銀行の買いも続いている。
金鉱株の反応は控えめだった。ニューモントが0.20%高、アグニコイーグルが0.85%高、フランコ・ネバダが1.65%高である。
NEMNewmont▲0.20%
AEMAgnico Eagle Mines▲0.85%
FNVFranco-Nevada▲1.65%
見ておくのは制裁の中身と、金の$4,700台
次に見るのは、制裁が実際にイラン産原油の輸出量をどれだけ減らすかである。減れば供給が細り、原油は先週の水準へ戻る。
金は$4,700台に乗ったところで、ここを保てるかが分かれ目になる。財務省の買い戻しは政策なので、規模が変われば金の支えも変わる。月曜の株式市場の動きは朝刊にまとめている。
