見出しの数字だけを見れば、ルルレモンの決算は上振れだった。1株利益$2.92は、市場予想の$1.82を大きく上回っている。
株価は17.38%安で引けた。
1株利益$2.92のうち$0.86は関税の還付だった
利益を押し上げたのは商売ではなかった。
1株利益$2.92には、関税の還付とそれに伴う利息による$0.86が含まれている。これを除いた実力は$2.06になる。
粗利益率も同じ構造をしている。前年同期から2.0ポイント改善して60.5%になったが、そこには$134.5Mの還付が乗っている。
営業利益は$453.7Mで、前年同期から13%減った。営業利益率は1.9ポイント下がって18.8%である。売上総利益は増えたことになっているのに、営業段階では減っている。
減ったのは主力のレギンスだった
売上高は$2.42Bで、前年同期比4%減。市場予想の$2.46Bにも届かなかった。
既存店売上高は9%減である。地域別では北米が12%減、中国本土が8%減だった。中国では、万里の長城を使った広告への批判が交流サイトで広がり、来店客が減った。
北米の内訳のほうが重い。主力である女性向けレギンスの売上高が、およそ20%減っている。会社は、消費者の好みが別の形の衣類へ移っていると説明した。
売れなくなったのは値段の問題ではなく、商品そのものだったことになる。
見通しは今年3度目の引き下げ
通期の売上見通しは$10.35〜10.5Bへ下がった。従来は横ばいから1%減の範囲で、市場予想は$11.04Bだった。1株利益の見通しも$10.95〜11.15から$9.48〜9.73へ引き下げている。
2026年に入って3度目の下方修正である。
バンク・オブ・アメリカは投資判断を中立のまま、目標株価を$140から$122へ下げた。回復に転じる時期が見通せない、というのが理由である。
次に見るのは北米の既存店が12%減からどこまで戻るか
新しい最高経営責任者のハイジ・オニール氏が来週着任する。引き継ぐのは、既存店が減り、主力商品が細り、見通しが3回下がったあとの事業になる。
関税の還付は一度きりの収入である。次の四半期は、その支えが無い状態の数字が出る。見るべきは1株利益の水準ではなく、北米の既存店が12%減からどこまで戻るかになる。
朝刊は9月5日号に。
