金曜の米国株は小幅安で終えた。
S&P 500が0.38%安の7,718.60、ナスダックが0.29%安の26,506.99。ダウは271ドル安の53,414.25である。
下げ幅そのものは小さい。ただし中身は、指数の数字よりずっと大きく割れていた。
8月の雇用は162,000人増。予想は55,000人だった
労働省が発表した8月の非農業部門雇用者数は162,000人増えた。市場予想の55,000人に対して3倍近い。
失業率は4.1%で前月から変わらず、平均時給は前月比0.3%増、前年比3.0%増だった。過去2か月ぶんの数字も合計55,000人上方修正されている。
増えたのは飲食業の59,000人と公立学校の42,000人である。ヘルスケアも13,000人増えたが、伸びは鈍った。
情報通信だけが23,000人減った
一方で減った業種がある。情報通信が23,000人の減少で、内訳は計算基盤とデータ処理が8,000人、出版が7,000人、放送・配信が5,000人だった。
この業種は過去12か月の平均が月8,000人の減少だった。8月はその3倍近い。AIの導入率が最も高い業種で、減り方が速くなっている。
利上げの織り込みは50.4%から6割へ戻った
前日はウォーラーFRB理事が9月の据え置きを支持すると述べ、CMEのFedWatchが示す利上げ確率は63.2%から50.4%へ落ちていた。
その1日ぶんが、雇用統計で戻った。金曜の織り込みはおよそ60%である。
長期金利も上がった。10年債が4.78%、2年債が3.76%、30年債が5.25%。
金利を生まない資産は逆に動いた。ビットコインは1.83%安の79,781で、前日に回復した$80,000をまた割っている。
決め手になるのは9月11日発表の8月消費者物価指数だと、複数のエコノミストが述べている。雇用は強くても、物価が減速していれば据え置きの理由は残る。
買われたのはメモリと、それを作る装置だった
市場全体が下げたこの日に、逆を向いた一群がある。
サンディスクが11.90%高、SKハイニックスが8.14%高、シーゲイトが6.34%高、マイクロンが6.10%高。
装置側も上げた。KLAが7.32%高、ラムリサーチが5.12%高である。
面白いのは上げなかった側だ。エヌビディアは0.84%高、ブロードコムは0.21%高にとどまっている。
SNDKSandisk▲11.90%
SKHYSK hynix Inc.▲8.14%MUMicron Technology▲6.10%
KLACKLA Corporation▲7.32%
NVDANVIDIA▲0.84%
買われたのは設計する会社ではなく、記憶する部品と、それを作る機械だった。事情は深掘りに書いた。
売られたのはソフトウェアだった
反対側はソフトウェアである。決算を出した会社が、そろって2桁下げた。
ガイドワイヤが19.93%安、ユーアイパスが16.63%安、アサナが12.69%安。
決算を出していない会社も巻き込まれた。オートデスクが8.26%安、アドビが6.73%安、ワークデイが5.38%安である。
GWREGuidewire Software▼19.93%PATHUiPath▼16.63%
ASANAsana▼12.69%
ADSKAutodesk▼8.26%
ADBEAdobe▼6.73%
3社とも決算の数字そのものは市場予想を上回っていた。売られた理由は別にある。詳しくは深掘りに書いた。
11業種のうち6つが上げ、首位は資本財の0.69%高
- 資本財▲0.69%
- 一般消費財▲0.62%
- 情報技術▲0.12%
- ヘルスケア▲0.06%
- 不動産▲0.05%
- 公益事業▲0.04%
- 金融▼0.10%
- 素材▼0.24%
- エネルギー▼0.37%
- 生活必需品▼0.39%
- コミュニケーション・サービス▼0.42%
上げ幅が最も大きかったのは資本財の0.69%高で、一般消費財の0.62%高が続いた。
下げたのは5業種である。コミュニケーション・サービスが0.42%安で最も大きく、生活必需品が0.39%安、エネルギーが0.37%安と続いた。
深掘り
- サンディスク11.90%高。買われたのはメモリと、それを作る装置
- FICO16.68%安 ── 政府が住宅ローンの点数を開放した
- ルルレモン17.38%安で52週安値。上振れを作ったのは関税の還付
- 決算は良かった。それでもガイドワイヤは19.93%安で引けた
- テスラ5.92%安。マスクが現れなかった発表会の翌日に
補足
超大型ではテスラが5.92%安だった。前日は5.42%高で発表会を待っていた銘柄である。その発表会の中身が期待に届かなかった。
ネットフリックスは5.35%安、パランティアは4.49%安、アップルは2.51%安で続いた。
大型の下げ幅首位はガイドワイヤの19.93%安、次いでルルレモンの17.38%安、フェア・アイザックの16.68%安だった。
原油は週を通して上げた。ブレントが週間6.1%高、WTIが週間8.3%高である。米国とイランの軍事的な応酬が7か月目に入り、ホルムズ海峡の通航は木曜が4隻と、10日平均のおよそ15隻を大きく下回った。
米国のディーゼル平均価格は1ガロン$5.85と過去最高を更新した。9月11日の物価指数が注目されるのは、この燃料高がどこまで数字に出るかという点でもある。
