LAC
Lithium Americas世界最大の測定・推定リチウム資源量を持つ鉱床を、米国内で、自動車会社と連邦政府を同じ船に乗せながら開発している。すでに掘って売っている資源会社とは、そもそも段階が違う。
今はまだ製品を一切売っておらず、収入は建設が終わるまで先送りされている。第1期は年4万トンの電池向け炭酸リチウムを狙い、2027年後半の設備完成を目標に工事が進む。掘るのは硫酸で処理する堆積性の粘土鉱床で、南米の塩湖やオーストラリアの硬岩とは工程がまるで違う。
資産がサッカーパス一箇所に集中しているため、工期の遅れも費用の膨張も逃げ場がない。無収入の間の運転資金は市場での株式売り出しで埋めており、2025年だけで三度、株数を大きく増やした。リチウム価格が採算割れの水準に沈めば、完成しても投じた資金の回収は見通せなくなる。
建設が終わるまでは株主還元に踏み込まない構えで、資金の出所を融資、合弁出資、転換社債、市場での株式売り出しへと次々に広げてきた。2026年にはエネルギー省へ1株$0.01で行使できる新株予約権まで渡している。
建設資金は米エネルギー省の$1.97Bの融資とGMの出資、Orionの転換社債を組み合わせたもので、融資の引き出し条件を満たし続けられるかが重要条件になる。GMは合弁の38%を持つ共同出資者であると同時に、産出するリチウムの引取先でもある。
この会社をどう読むか
Lithium Americasはバンクーバーに本社を置くカナダの会社だが、持っている資産はネバダ州北部の一箇所、サッカーパスのリチウム鉱床しかない。2023年に南米事業と袂を分かって生まれた、北米側の半身にあたる。
読み方の核は、この会社が単独では成立していないところにある。鉱山を持つ合弁の38%はGMが握り、建設資金の主力は米エネルギー省の融資で、その見返りに政府は1株$0.01で買える新株予約権を受け取った。買い手も貸し手も出資者も同じ顔ぶれという構造は、資金繰りの安心と引き換えに、外部の判断ひとつで進路が変わる余地を残している。
バランスシート (要約)
資産 $2.6B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $1.1B(41%)。
本業は黒字だが、設備投資が大きく手元の現金は流出している段階
- 現金・現金同等物$568M
- 他の流動資産$343M
- 固定資産$1.7B
- 流動負債$177M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率。
収益性 (TTM)
- 売上高
- —
- 売上成長率
- —
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- —
- 純利益率
- —
- ROE
- −8.1%
- ROIC
- —
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- −$61M
- フリーCF
- −$826M
- 営業CFマージン
- —
- 現金ランウェイ
- 1年未満
配当
無配
配当を出さず、稼いだお金を成長のための投資や借入の返済に充てる段階です。利益を会社の中で再投資して価値を伸ばすことを優先しています。
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