OEC
Orion S.A.量のまとまるタイヤ向けと、利幅の厚い塗料やインク向けの特殊用途を同じ工場群で作り分けている。量だけを追う同業に比べ、需要が片側で崩れてももう片側で採算を支えられる。
石油由来の原料からすす状の炭素の粉を作り、ゴムに混ぜて丈夫にする用途と、色や導電性を与える特殊な用途に売り分ける。工場はオハイオ州ベルプレ、テキサス州ボーガーとオレンジ、ルイジアナ州アイバンホーに加え、南アフリカとブラジルにもある。装置産業らしく、稼働率を保てるかどうかで採算が変わる。
自動車やタイヤの生産が落ち込めば、量のまとまるタイヤ向けの需要がまず細る。原料の油の値動きが採算を圧迫し、稼働率が落ちれば固定費の重さが利益を削る。すす状の粉を作る工程は各国で環境規制が厳しく、対応の費用がかさみやすい。
量で回すタイヤ向けを土台に置きつつ、利幅の厚い特殊用途への出荷比率を上げる方向で設備と製品構成を組み替えている。株主には配当を続けている。
自動車とタイヤの生産動向と、原料になる油の費用が採算を動かす。利幅の厚い特殊用途をどこまで伸ばせるかと、各国の環境規制にいくらの費用で対応できるかも収益の質を決める。
この会社をどう読むか
タイヤはなぜ黒いのか、と考える人は少ない。答えのほとんどは、Orionのような会社が作る炭素の粉にある。石油由来の原料から作るすす状の粉をゴムに混ぜると、タイヤは黒くなると同時に丈夫になる。
同じ粉でも、行き先によって採算はまるで変わる。量がまとまるタイヤ向けは利幅が薄く、塗料やインク向けの特殊用途は少量でも利幅が厚い。北米に加えて南アフリカやブラジルにも工場を持つこの会社は、設備を止めずに回しながら、利幅の厚い側の比率をどこまで上げられるかで収益の質が変わっていく。
バランスシート (要約)
資産 $1.9B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $385M(20%)。
借金と支払い余力は並の水準。大きな不安はない
- 現金・現金同等物$61M
- 他の流動資産$583M
- 固定資産$1.3B
- 流動負債$626M
- 長期借入金$675M
- 短期借入金$305M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $1.8B
- 売上成長率
- −3.8%
- 粗利率
- 19.9%
- 営業利益率
- 1.5%
- 純利益率
- −3.9%
- ROE
- −18.2%
- ROIC
- 1.6%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $216M
- フリーCF
- $55M
- 営業CFマージン
- 11.9%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
- 配当総額(年間)
- $5M
- 配当性向
- —
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