SBGI
Sinclair全米に地方局を並べる規模と、テニスの世界大会を米国で独占中継する専門局を同じ屋根の下に持つ放送グループは他にない。2025年にはFAAから、人や車の上空でドローンを飛ばして取材する認可を放送会社として初めて得た。
地方局の収入は広告料と、番組をケーブルなどへ流す事業者から受け取る再放送の対価。系列局を多く抱える規模が、その対価交渉の強みになる。加えてTennis Channelが、WTAの米国独占放映権を2032年まで、国際テニス連盟のデビスカップなども長期契約で押さえている。
視聴者が配信へ移るほど、地方局の広告と再放送対価は細っていく。テニスの放映権は獲得競争が激しく、更新のたびに費用が膨らむ余地がある。子会社STGを主債務者とする借入と社債を抱えており、金利が上がる局面では利払いの重さが目立つ。
系列局との複数年契約を積み重ねて放送の土台を固める一方、成長の芽は買収と新規事業に置く。AMP Mediaのポッドキャストや災害支援のSinclair Caresで、広告以外の場にも局の名前を出す。
広告市況、再放送対価の更新条件、そしてテニスの放映権の維持。選挙のある年は政治広告が乗り、無い年はその反動が出る。2025年のNBCとの複数年契約のように、大手ネットワークとの系列関係をどれだけ長く結べるかが収入の安定度を決める。
この会社をどう読むか
Sinclairの決算は、地方局とテニスという釣り合わない二つの区分に分かれている。全米に並ぶ系列局の広告と再放送対価が本体で、その横にTennis Channelという専門チャンネルが一本立っている。
WTAの試合は2032年まで米国ではこのチャンネルでしか見られず、デビスカップの権利も国際テニス連盟との契約で押さえている。テレビ離れで細る地方局の収入と、放映権の獲得競争で膨らむテニスの費用。逆風の向きが違う二つを同時に抱えている会社として見ると分かりやすい。
バランスシート (要約)
資産 $5.9B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $443M(7%)。
借金と支払い余力は並の水準。大きな不安はない
- 現金・現金同等物$866M
- 他の流動資産$834M
- 固定資産$4.2B
- 流動負債$703M
- 長期借入金$4.3B
- 短期借入金$25M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $3.2B
- 売上成長率
- −10.7%
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- 5.5%
- 純利益率
- −3.5%
- ROE
- −25.3%
- ROIC
- 2.9%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $189M
- フリーCF
- $115M
- 営業CFマージン
- 6.0%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
- 配当総額(年間)
- $69M
- 配当性向
- —
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