UIS
Unisys新興のクラウド専業企業と違い、他社が撤退した大型基幹計算機の保守という領域を今も抱えている。皮肉にもこの古い事業の利幅が、立て直し途上の会社の資金繰りを支えている。
稼ぎ口は三つに分かれる。社員のパソコンやヘルプデスクを支える運用の代行と、クラウド移行やアプリ刷新の支援。そして銀行や航空会社が使い続ける大型基幹計算機ClearPath Forwardの利用許諾と保守だ。長期契約からの安定収入に、古い基幹計算機の厚い利幅が乗る。
顧客が古い基幹計算機から新しい仕組みへ移り終えると、利幅の厚い保守収入が長期的に細っていく。社員向けIT運用は利幅が薄く価格競争が激しい。積立不足の確定給付年金への拠出は2025年に$343.7Mに達し、稼いだ現金が事業の外へ流れ出ている。
経営の時間は、事業の組み替えよりも年金拠出と借入の始末に多く割かれている。2031年満期の高利回り社債を抱えたまま、現金の出入りを見ながら投資の順番を決めていく段階にある。
企業や政府がIT運用の外部委託とクラウド移行にどれだけ予算を割くか、そして基幹計算機を使い続ける顧客がどれだけ残るかで収益の形が決まる。長期契約の更新率も収入の安定度を決める要素になる。
この会社をどう読むか
銀行や航空会社の窓口の裏では、いまも数十年前に設計された大型計算機が取引を処理している。Unisysはその保守を引き受け続けている数少ない会社で、来歴は1873年まで遡る。
この会社では、成長事業と衰退事業の役割が入れ替わっている。伸びるはずのクラウド移行や社員向け運用は利幅が薄く、縮むはずの基幹計算機保守のほうが利益を出す。しかもその利益の相当部分が、過去の従業員に約束した年金の穴埋めに吸われていく。この三重の構図が、立て直し途上のUnisysの現在地だ。
バランスシート (要約)
資産 $1.8B を負債が上回る債務超過の状態。
負債が資産を上回る債務超過。本業から入る現金もマイナスで、増資や資金繰りに注意
- 現金・現金同等物$414M
- 他の流動資産$590M
- 固定資産$842M
- 流動負債$656M
- 長期借入金$701M
- 短期借入金$13M
この判定で見た指標: 自己資本比率・利息カバー率 (営業利益が支払利息の何倍か)・負債/EBITDA (借金が本業の稼ぎの何年分か)。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $2B
- 売上成長率
- −2.9%
- 粗利率
- 28.2%
- 営業利益率
- 4.0%
- 純利益率
- −17.4%
- ROE
- —
- ROIC
- —
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- −$140M
- フリーCF
- −$170M
- 営業CFマージン
- −7.2%
- 現金ランウェイ
- 約2年
配当
無配
配当を出さず、稼いだお金を成長のための投資や借入の返済に充てる段階です。利益を会社の中で再投資して価値を伸ばすことを優先しています。
UIS の掲示板
ログイン状態を確認しています…
読み込み中…
