月曜のS&P 500は0.02%高で終わった。1万分の2という、事実上の変化なしだ。だがこの日、市場では大規模な資金の移動が起きていた。
売られた側はこうだ。エヌビディア4.99%安、AMD5.17%安、ASML5.80%安、ラムリサーチ4.46%安。AIの計算を支えるハードウェアが、揃って5%前後を失った。
買われた側も同じくらい極端だった。ワークデイ9.01%高、アトラシアン10.35%高、ショッピファイ11.54%高、サービスナウ6.86%高、セールスフォース6.07%高。企業向けソフトウェアが一斉に上げた。
指数が動かなかったのは、この二つがほぼ同じ重さでぶつかったからだ。平均は静かでも、その内側では持ち主が入れ替わっている。
注目すべきは、買われた側に目新しいニュースがほとんどなかったことだ。ある米国メディアはこの日の上昇を「企業ソフト全体の戻りに乗ったもので、個別の材料ではない」と説明している。つまりこれは、良い知らせを買ったのではなく、半導体から引き上げた金の置き場所としてソフトが選ばれた、ということだ。
なぜソフトだったのか。今年の前半、AI関連の資金は半導体に集中し、ソフトウェアは置いていかれていた。パランティアは年初来でまだマイナス圏にいる。値上がりしすぎた方を売り、出遅れた方を買う——同じAIというテーマの中での持ち替えなら、テーマそのものを降りる必要がない。
この乗り換えが一日で終わるのか、それとも数か月続く流れの始まりなのかは、まだ分からない。ただ確かなのは、指数の数字だけを見ていると、こういう日は「何もなかった日」として記録されてしまうということだ。実際には、市場は誰にAIの果実を渡すのかという問いに、静かに答えを出し直している。
