月曜の指数は、ほとんど動かなかった。S&P 500は0.02%高、ダウは0.51%高、ナスダックだけが0.18%安。恐怖指数と呼ばれるVIXも18.96と落ち着いていた。数字の表面だけ見れば、何も起きていない一日だ。
だが中身は総入れ替えだった。半導体が売られ、その金がソフトウェアへ移った。エヌビディア4.99%安、AMD 5.17%安、ASML 5.80%安。ちょうど同じ時間に、ワークデイは9.01%高、ショッピファイは11.54%高、サービスナウは6.86%高。指数が動かなかったのは、売りと買いがほぼ同じ大きさでぶつかったからにすぎない。
先週金曜に始まったメモリ売りは、月曜も止まらなかった。むしろ深まった。違ったのは、逃げた資金の行き先がはっきりしていたことだ。
3つのポイント
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半導体売りは第2波に入った:韓国のSKハイニックスが月曜、15%近く下落した。金曜の11.5%安に続く連続の急落だ。引き金は中国のメモリ大手ChangXinの上海上場で、初値は公開価格を大きく上回った。中国がNANDとDRAMの価格を崩すという恐れが再燃し、サンディスクは11.02%安。6月の最高値からは45%以上下げたことになる。
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ASMLには別の刃が刺さった:ASMLは5.80%安。露光装置で独占的な地位を持つ同社について、中国企業が液浸DUV装置を製造しているとの報道が出た。独占という前提そのものへの疑いで、一時は8%を超えて下げた。装置のラムリサーチ4.46%安、後工程のアムコー6.54%安と、半導体は川上から川下まで連れ安した。
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売られた金は、まとめてソフトへ向かった:ワークデイ9.01%高、アトラシアン10.35%高、ショッピファイ11.54%高、セールスフォース6.07%高。個別の好材料が並んだわけではない。今年ずっと出遅れていたAIソフト勢に、半導体を売った資金がそのまま回った。ハードからソフトへの乗り換えだ。
補足
原油が急落した。米国とイランが軍事行動を止めると決め、ホルムズ海峡の供給不安が引いたためだ。WTIは1日で7%を超えて下げ、約2か月ぶりの大きさとなった。金曜まで$90台だった原油はいま$80.78。エネルギーは11セクターで最下位の2.73%安に沈み、チェニエール・エナジー5.13%安、ターガ・リソーシズ4.87%安と天然ガス関連が揃って崩れた。
一方で、AI相場の外側は静かに買われている。ダウは0.51%高、小型株のラッセル2000も0.62%高。オラクルの4.27%高は米国防総省との10年・最大$7Bの契約が効いた。RTX2.65%高も、予想を上回った決算と防空システムの大型受注が支えだ。AIの物語が揺れる日に、国が払う金という確かな需要が見直された。
深掘り
この日の重要テーマは、個別の記事に切り出した。
- 指数が動かない日ほど、中身は激しく動いている ── 半導体からソフトへの一日乗り換え — 売りと買いが同じ大きさでぶつかった構図
- 「唯一無二」に値札が付いた日 ── ASML 5.8%安と、中国製DUVという報道 — 独占の前提が揺らぐと何が起きるか
- 中国のメモリ会社が上場した日、アメリカのメモリ株は45%安に沈んでいた — 供給が増えるという恐れの重さ
- イランと米国が矛を収めたら、LNG株が崩れた ── 平和が減らす利益 — 地政学プレミアムが消える時
- AIを「作る側」から「使う側」へ ── パランティア7%高が示す物差しの移動 — 稼ぎ方の証明が問われ始めた
