火曜の指数は、上と下に割れた。ダウは537ドル高の52,747.32ドル。同じ時間にナスダックは0.22%安。S&P 500は0.21%高と、かろうじてプラスで終えた。指数がばらけたのは、売られたものと買われたものがはっきり分かれていたからだ。
この日、AIをめぐって2つの疑いが同時に出ている。
1つは中国だ。前日の月曜、中国のメモリ大手CXMTが上海市場に上場し、初日に466%高で終えた。ほぼ同じタイミングで、中国が半導体の回路を焼き付ける露光装置の国産量産を始めたと報じられた。納入先にはCXMTを含む中国の主要メーカーが並び、今年およそ5台、2027年におよそ20台という台数まで出た。中国が装置とメモリを自前で回せるなら、供給は一気に増える。
もう1つは、AI投資のお金の出どころだ。エヌビディアがOpenAIのデータセンター計画に巨額の資金を支援するという報道が重なり、チップを売る側が買う側に資金を出しているのではないか、つまり需要は身内で回っているだけではないか、という見方が広がった。
火曜のアジアは、この2つをまとめて織り込んだ。韓国ではサムスン電子が約13%、SKハイニックスが約15%下げ、指数は10%を超えて下落して取引が一時止まった。両社にとって約20年ぶりの下落率だ。日本でも半導体の装置メーカーが軒並み1割超下げた。米国が開く頃には、売りはすでに一周していた。
3つのポイント
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売られたのはメモリだけではなかった:マイクロンは8.85%安の$820.53、サンディスクは14.25%安。ここまでは前日からの続きだ。だが火曜は範囲が違った。光ファイバーのコーニングが12.10%安、光通信部品のコヒレントが10.31%安、データセンターを冷やすキャリアが8.90%安、電源のブルームエナジーが11.34%安、そして造成工事のスターリングが15.21%安。半導体そのものより、AIデータセンターを支える配管のほうが深く売られた。
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決算がよくても売られた会社があった:後工程のアムコーは24.74%安と、この日いちばん下げた大型株になった。前日の引け後に出した4〜6月期は売上高$1.898Bで前年同期比26%増、粗利率16.8%と過去最高だった。それでも売られたのは、続く7〜9月期の売上見通しが市場の期待に届かなかったからだ。会社はメモリの調達難と、生産の韓国からベトナムへの移管を理由に挙げている。数字がよいかどうかではなく、この先も伸び続けるかどうかを見られている。
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逃げた先は、AIに賭けていない会社だった:コカ・コーラが5.00%高。同じ朝に出した決算で、売上は前年同期比7%増の$13.4B、世界の販売数量は5%増。砂糖を使わない製品が16%伸び、通年の見通しも引き上げた。医薬品開発を請け負うアイキューヴィアは13.94%高で、新規受注が前年同期比19%増。病院のHCAが7.33%高、テネットが7.92%高。人の手でシステムを作るアクセンチュアが6.88%高、コグニザントが6.93%高と、半導体の真逆を行った。
前日の月曜は、半導体を売った金がソフトウェアへ移った。火曜はその行き先がさらに広がり、医療と日用品と人手のサービスにまで届いた。AIに近いほど売られ、遠いほど買われた一日だった。
原油も下げている。WTIは4.21%安の$79.13で、エネルギーはこの日いちばん下げたセクターになった。金も1.12%安。10年債の利回りは4.60%へ0.04ポイント下がったが、VIXは18.21と落ち着いたままだ。市場全体が怖がっているわけではなく、特定のテーマだけが巻き戻されている。
問われている2つは、どちらもすぐには答えが出ない。中国の装置は、報じられた台数が今年5台で、世界の需要を埋める数ではない。性能や信頼性がまだ足りず、量産と呼べるかの検証が要るという指摘もある。AI投資のお金の回り方も、身内で回しているのか本物の需要なのかは、これから積み上がる決算でしか分からない。
それでも株価がこれだけ動いたのは、どちらも前提そのものへの疑いだからだ。独占が続くこと、投資が外から来ること。この2つの上に、AI関連の値段は積み上がってきた。前提が揺れれば、実際の数字が小さくても評価は動く。ナスダック100は高値からの下落率が調整と呼ばれる水準に近づいている。
