1864年開業の銀行を、いまも唯一の子会社として抱えたままでいる。営業地域はメイン州の中部沿岸と東部に限られ、競う相手は全国区の大手よりも同じ州の地域銀行と信用組合になる。
傘下のFirst National Bankが集めた預金を、住宅ローンと中小企業向けの融資に回し、その利ざやで稼ぐ。First National Wealth Managementが信託や資産運用の手数料を上乗せし、証券や年金保険は2019年に始めた外部提携で扱う。
冬から春は預金が細り、夏から秋にふくらむ季節の波が構造として組み込まれている。観光と沿岸の産業が傾けば、預かる金と貸した金が同時に痛む。
買収は控えめで、2005年のBar Harborの銀行と、2020年に大手が独占禁止の整理で手放した1店舗にとどまる。2022年のBrewer出店は自前の新設で、支店は18か所になった。
顧客の中心は沿岸部の小規模事業者、自治体、非営利団体、そして地元の個人である。地域の景気がそのまま貸出の質に出て、金利が動けば預金と貸出の金利差もすぐ変わる。
この会社をどう読むか
First Bancorpの中身は、1864年に国法銀行として開業したFirst National Bank一行だけだ。持株会社が1985年にメイン州で設立されて以来、この銀行のほかに子会社を持ったことがない。持株会社の名は元々First National Lincoln Corporationで、いまの社名になったのは2008年のことだ。
この銀行の預金は、冬から春にかけて細り、夏から秋にかけてふくらむ。観光客と季節の仕事で回るメイン州沿岸の暮らしが、そのまま残高の波として現れるためだ。会社自身がこの波を予測可能なものとして扱っており、通年の数字だけを眺めると実像を外す。
バランスシート (要約)
資産 $3.2B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $283M(9%)。
自己資本比率は同業の中央値を下回るが、極端に薄くはない
- 現金・現金同等物$28M
- 長期借入金$96M
- 短期借入金$92M
この判定で見た指標: 自己資本比率。預金や保険の準備金が負債に立つ業態のため、流動比率と D/E は判定に使わず、自己資本比率を同業の中央値と比べています。
収益性 (TTM)
- 売上高
- —
- 売上成長率
- —
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- —
- 純利益率
- —
- ROE
- 12.1%
- ROIC
- —
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $38M
- フリーCF
- $35M
- 営業CFマージン
- —
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
- 配当総額(年間)
- $16M
- 配当性向
- 47.5%
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