ITIC
Investors Title火災保険のように将来の事故に備えるのではなく、すでに起きてしまった権利の瑕疵を保証するという、時間の向きが逆の保険を売っている。その周りに税務の先送り取引や信託業務を足してきた。
傘下の2つの保険会社ITICとNITICを通じて権原保険を引き受け、保険料と、集めた保険料を運用した収益の両方を得る。あわせて、不動産の売却益への課税を先送りできる交換取引の仲介や、個人向けの資産運用・信託サービスも手がける。
金利が上がって不動産の取引が止まると保険料収入は一気に細り、市況の谷では業績が大きく落ち込みやすい。権利の調査を誤れば、後になって大きな保険金の支払いを抱えるリスクもある。
引き受け審査を堅く保ち、市況の谷でも無理に件数を追わない構えを崩さない。株主には配当を出しているが、周辺事業を広げる速度はあくまで本業を補う範囲にとどめてきた。
保険料収入は住宅や商業用不動産の売買・借り換えの件数についてまわるので、金利が落ち着いて取引が動く環境かどうかが効く。集めた保険料をどう運用したかも、利益の振れ幅に無視できない形で乗ってくる。
この会社をどう読むか
Investors Titleが売っているのは、これから起きる事故への備えではない。買おうとしている土地や建物に、過去の差し押さえや相続、登記の誤りといった問題が隠れていないかを先に調べる。それでも後から出てきたときの損を補うのが「権原保険」という一風変わった商品だ。
1973年にノースカロライナで設立された会社だ。いまは傘下のITICとNITICという2つの保険会社を通じ、米国東部を中心とする21州とワシントンD.C.で保険を引き受けている。不動産の売却益への課税を先送りできる交換取引の仲介や個人向けの信託業務も手がけており、取引の周辺サービスをじわじわ広げてきた。
バランスシート (要約)
資産 $363M のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $268M(74%)。
自己資本比率は同業の中央値を上回る
- 現金・現金同等物$21M
この判定で見た指標: 自己資本比率。預金や保険の準備金が負債に立つ業態のため、流動比率と D/E は判定に使わず、自己資本比率を同業の中央値と比べています。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $273M
- 売上成長率
- 5.6%
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- —
- 純利益率
- 12.9%
- ROE
- 13.1%
- ROIC
- —
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $31M
- フリーCF
- $25M
- 営業CFマージン
- 11.3%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
- 配当総額(年間)
- $20M
- 配当性向
- 56.7%
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