KVHI
KVH Industries性質の違う複数の衛星網とセルラー、港のWi-Fiを一つの契約に束ね、船がどの海域にいても回線を切らさない仕組みを持つ。脅威になりかねないStarlinkを、正規の再販相手として自社の商品棚に取り込んだ判断も他社と違う。
船に衛星のネット回線をつなぎ続ける月々の通信料が収入の大半を占め、2025年は低軌道と高速衛星の通信料だけで売上の82%に達した。自社端末の販売も残るが、いま伸びているのはStarlinkの端末と通信枠を仕入れて売る部分だ。
2024年2月にRhode Islandの工場の段階的な閉鎖を発表し、従業員の約2割を削減した。2026年末までに製造をほぼ止める計画で、自社で作らなくなる分だけ、仕入れ条件の悪化がそのまま収益に響くようになる。
株主への還元より、製造要員の削減と再販網への移行に資金と人を振り向けている。作った機器を売る会社から他社の回線を仕入れて束ねる会社へ、この移行を終えられるかが数年の焦点になる。
船会社が通信契約を払い続けるかと、仕入れ元であるStarlinkの卸条件に左右される。2024年には大口のデータ枠を$17Mで前払いしており、この種の枠をどれだけ安く押さえられるかが利幅を決める。
この会社をどう読むか
海の上では、陸の携帯電話がまったく届かない。KVH Industriesはその空白を自社製のアンテナで埋めてきた会社だが、いまは自分で作ること自体をやめつつある。
2023年にStarlinkの正規販売店になり、翌2024年には長年の看板だった工場の段階的な閉鎖を発表した。競合になりかねない安い低軌道衛星を、恐れる代わりに仕入れ先として抱き込んだ格好で、この鞍替えで利幅を保てるかどうかが今後を決める。
バランスシート (要約)
資産 $152M のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $131M(86%)。
本業は赤字で現金を減らしている段階。黒字化の道筋が焦点
- 現金・現金同等物$70M
- 他の流動資産$48M
- 固定資産$34M
- 流動負債$17M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $111M
- 売上成長率
- −2.5%
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- −10.1%
- 純利益率
- −6.7%
- ROE
- −5.6%
- ROIC
- —
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $17M
- フリーCF
- $10M
- 営業CFマージン
- 15.4%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
無配
配当を出さず、稼いだお金を成長のための投資や借入の返済に充てる段階です。利益を会社の中で再投資して価値を伸ばすことを優先しています。
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