MLKN
MillerKnoll老舗ブランドを買い集め、デザインの個性は各社に残したまま生産だけを統合する持株会社型は、家具業界では珍しい形。オフィス向けと個人向けという性格の違う市場を同じ屋根の下に置いている点も、他社にはあまりない。
法人向けのオフィス家具事業と、個人向けの家庭用家具事業の二つの事業で稼ぐ。オフィス向けは独立系の家具ディーラーや企業への直販で納め、家庭向けは自社の直営店や通販サイトを通じて個人客に届ける。ブランドごとに価格帯とデザインの個性を維持したまま、生産や物流だけを本体で束ねる構造になっている。
在宅勤務の広がりでオフィス家具の需要が細ると、法人向けの売上が落ちる。デザイン性の高い家具は単価が高く、不況期には個人の買い控えの影響を最も受けやすい部類に入る。十数のブランドを並べて維持する体制は、統合や在庫管理の負担も相応に重い。
買った会社のデザインには手を入れず、工場と調達だけを本体に寄せる、という線引きを守り続けている。新しいブランドを一から育てるより、名前の通ったデザイン会社を買って傘下に並べるやり方を繰り返してきた。
オフィス向けは企業のオフィス投資意欲と働き方の変化、家庭向けは住宅市場の動向という、性格の違う2つの需要に同時に左右される。デザイン性を売りにする分、木材や金属といった原料費の上昇も価格転嫁が難しい場面がある。
この会社をどう読むか
MillerKnollという社名に馴染みがなくても、Herman Millerの椅子やKnollのオフィス家具は知られている。HAYの北欧デザインもDesign Within Reachの店も、同じ傘の下にある。この会社は単一ブランドではなく、買収で集めた十数ブランドの集合体だ。
北米契約・国際契約・グローバル小売という3つのセグメントに分け、企業向けオフィス家具と個人向け高級家具を別々のチャネルで売り分けている。ブランドごとのデザインの個性は残したまま、生産と調達だけを本体でまとめている。そのぶん、在宅勤務でオフィス需要が細る局面と、住宅市場が冷える局面の両方をまともに受ける。
バランスシート (要約)
資産 $4B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $1.3B(34%)。
借金と支払い余力のバランスが良く、黒字も安定
- 現金・現金同等物$168M
- 他の流動資産$970M
- 固定資産$2.9B
- 流動負債$721M
- 長期借入金$1.3B
- 短期借入金$25M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $3.8B
- 売上成長率
- 4.7%
- 粗利率
- 38.8%
- 営業利益率
- 5.2%
- 純利益率
- 2.4%
- ROE
- 6.8%
- ROIC
- 5.9%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $200M
- フリーCF
- $78M
- 営業CFマージン
- 5.2%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
- 配当総額(年間)
- $51M
- 配当性向
- 55.8%
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