MNKD
MannKind粉薬を肺から素早く吸収させるTechnosphereという台を持ち、自社薬と他社薬の両方に使い回している。売る側ではなく作る側に回って大手の呼吸器薬を裏側から支える立ち方は、同じ規模のバイオ企業ではあまり見ない。
自社ブランドでは吸入インスリンのAfrezzaに加え、心不全向けと糖尿病向けの薬を売る。もう一本はUnited Therapeuticsとの関係から来る。同社が売る肺高血圧症薬について、製造した分の対価と、売上に応じたロイヤルティの両方を受け取る。
提携先一社の判断で収入が大きく揺れる構造が、この会社の急所である。製造の不具合や供給の遅れが起きれば、粗利がそのまま削られる。自社のAfrezzaは注射に慣れた市場でなお少数派で、処方の伸びは緩やかにとどまる。
いまの経営の重心は、自社ブランドを伸ばすことより、United Therapeuticsとの製造契約を切らさず安定させることにある。長年の赤字と借金を引きずりながら、Tyvaso DPIの製造収入で足場を固め直している段階だ。
Tyvaso DPIをUnited Therapeuticsがどれだけ売る気で押すかが、収入の大半を決めてしまう。10-Kのリスク要因でも、同社が商業的な力の入れ方を弱めれば収益が大きく落ち込みうると明記されている。自社工場が止まらないことと、インスリンなど原料の供給が続くことも前提になる。
この会社をどう読むか
MannKindを吸入インスリンの会社とだけ見ると、実態の半分しか見えない。Technosphereという粉薬を肺へ届ける台は、United Therapeuticsが売る肺高血圧症薬Tyvaso DPIの製造にも使われている。
いまの収入を支えているのは、自社ブランドの伸びよりこの受託事業者の仕事だ。10-Kは、United Therapeuticsが力を弱めれば収益が大きく落ち込みうると自ら書く。作る相手が一社という一点に、この会社の強さと危うさが同居している。
バランスシート (要約)
資産 $792M を負債が上回る債務超過の状態。
負債が資産を上回る債務超過。営業利益は支払利息の2.8倍、借金は本業の稼ぎの約6.9年分
- 現金・現金同等物$75M
- 他の流動資産$217M
- 固定資産$501M
- 流動負債$171M
- 長期借入金$355M
この判定で見た指標: 自己資本比率・利息カバー率 (営業利益が支払利息の何倍か)・負債/EBITDA (借金が本業の稼ぎの何年分か)。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $349M
- 売上成長率
- 22.2%
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- 11.1%
- 純利益率
- 1.7%
- ROE
- —
- ROIC
- —
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $18M
- フリーCF
- $14M
- 営業CFマージン
- 5.2%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
無配
配当を出さず、稼いだお金を成長のための投資や借入の返済に充てる段階です。利益を会社の中で再投資して価値を伸ばすことを優先しています。
MNKD の掲示板
ログイン状態を確認しています…
読み込み中…