RSVR
Reservoir Media曲を作って売り切るレーベルとは違い、一度手に入れた権利を何十年も持ち続けて使用料を積み上げる。2015年に投資したハンス・ジマーの映画音楽から、録音側のトミー・ボーイのヒップホップまで、時代もジャンルも違う資産を横に並べて保有している。
保有する楽曲が配信サービスや放送、映画、広告で使われるたびに発生する使用料を、権利者として受け取る。2007年の設立以来、2010年のTVTミュージックを皮切りにクリサリス・レコードやトミー・ボーイといった会社やカタログを買い足して権利の束を厚くしてきた。
良いカタログほど入札が競争になり値段が吊り上がる。買収資金の一部を借り入れでまかなっているため、金利が上がれば負担が重くなる。配信サービスとの使用料の配分交渉ひとつで、既存カタログの実入りも変わる。
稼いだキャッシュは株主に返さず、次のカタログ買収に回し続けている。直近5年で約$640Mを投じ、中東・北アフリカ(MENA)では権利管理会社そのものを立ち上げて市場ごと押さえに行った。
音楽配信サービスの値上げと契約者数の伸びが、いま持っている権利からの収入を押し上げる。同時に、価値あるカタログを適正な値段で買い増せるかどうかが、この先の成長の余地を決める。
この会社をどう読むか
Reservoir Mediaがやっていることは、音楽会社というより古美術商に近い。自分で曲を作るのではなく、ジョニ・ミッチェルやソニー・ロリンズといった過去の名曲の権利を一つずつ買い集める。それが配信や映画で流れるたびに使用料が入る。
2007年の設立から直近5年だけで約$640Mを権利の取得に投じ、いまはスヌープ・ドッグやシェリル・クロウのような現役の書き手も抱える。一度買った権利は年数が経っても使用料を生み続けるため、良いカタログを適正な値段で見つけられるかどうかが、この会社の最大のリスクであり同時に強みでもある。
バランスシート (要約)
資産 $950M のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $378M(40%)。
おおむね健全。一部の指標に改善余地
- 現金・現金同等物$26M
- 他の流動資産$67M
- 固定資産$857M
- 流動負債$66M
- 長期借入金$456M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $176M
- 売上成長率
- 10.7%
- 粗利率
- —
- 営業利益率
- 21.8%
- 純利益率
- 4.7%
- ROE
- 2.2%
- ROIC
- 3.6%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $50M
- フリーCF
- $50M
- 営業CFマージン
- 28.5%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
無配
配当を出さず、稼いだお金を成長のための投資や借入の返済に充てる段階です。利益を会社の中で再投資して価値を伸ばすことを優先しています。
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