小売に直接売らず、日用品メーカーの奥に原料として入り込む立場を、数十年単位の取引で維持してきた。巨大総合化学メーカーのように何でも手がけるのではなく、界面活性剤という一点に強みを絞っている。
売上の大半は界面活性剤で、水と油をなじませる性質を利用して洗剤やシャンプー、工業用洗浄剤の主成分として使われる。加えて断熱材や塗料の原料になる樹脂系のポリマー事業、食品や医薬向けの特殊化学品事業を持ち、三つの事業を組み合わせて幅広い顧客に売る。
原料価格が急に上がっても値上げの浸透に時間がかかれば、その間の利幅は縮む。新しい工場の稼働開始が遅れたり費用が膨らんだりした局面では、投資の重さがそのまま利益を圧迫した実績もある。
1959年の創業以来、界面活性剤を中心とした事業構成を大きく崩さず、原料価格の変動を製品価格に転嫁しながら配当を伸ばし続けてきた、変化に急がない経営が続く。
原料になる油脂や石油化学品の価格と、それを製品価格へ転嫁できるかに利益が左右される。日用品向けの需要は景気に強い一方、樹脂やポリマーの需要は建築や工業の景気循環をそのまま受ける。
この会社をどう読むか
Stepan は1959年にデラウェア州で設立された化学会社で、今も看板は洗剤やシャンプーの主成分になる界面活性剤だ。ただし実際は、断熱材の原料になる樹脂や、食品・医薬向けの特殊化学品まで三本の柱を持つ。
小売店の棚に自社の名前が並ぶことはなく、日用品メーカーの製品の中へ原料として溶け込む商い方をしている。だから油脂や石油化学品の値上がりを製品価格へどれだけ転嫁できるかが利幅を決め、この転嫁力の維持が長く配当を伸ばせた理由になっている。
バランスシート (要約)
資産 $2.4B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $1.2B(53%)。
借金と支払い余力のバランスが良く、黒字も安定
- 現金・現金同等物$133M
- 他の流動資産$726M
- 固定資産$1.5B
- 流動負債$666M
- 長期借入金$341M
- 短期借入金$286M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $2.3B
- 売上成長率
- 7.0%
- 粗利率
- 11.6%
- 営業利益率
- 3.4%
- 純利益率
- 2.0%
- ROE
- 3.8%
- ROIC
- 3.3%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $148M
- フリーCF
- $25M
- 営業CFマージン
- 6.3%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
- 配当総額(年間)
- $35M
- 配当性向
- 74.7%
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