
TROX
Tronox Holdings採掘の副産物として出るモナザイトから希土類を取り出し、中国が握る供給に頼らない選択肢として売り込もうとしている点は、顔料メーカーという枠を超えている。
オーストラリアと南アフリカの鉱山でチタンを含む鉱物を掘り、米国やブラジル、サウジアラビアなど6カ国に置く7つの顔料工場へ送って製品に仕上げる。約1,200の顧客に白色顔料を売るほか、採掘の副産物であるジルコンや銑鉄、モナザイトも売る。
顔料工場は止めても費用が消えないため、需要が落ちると稼働率の低下がそのまま損益を削る。原料を自前で持つぶん、鉱山側の操業が乱れれば工場まで一緒に止まる。
2025年に始めたコスト改善プログラムで年$90Mの削減を実現し、2026年末までに$125M〜$175Mへ広げる計画を掲げる。稼働率の調整と借入の管理を同時に進める、守りの色が濃い経営に転じている。
塗料や建設向けの最終需要と二酸化チタンの市況に業績が連動する。2025年は手元資金を守るため、工場の閉鎖と休止で生産量そのものを絞る判断に踏み込んだ。
この会社をどう読むか
塗料や紙のあの白さは、二酸化チタンという顔料が作っている。Tronoxはその顔料を作るだけでなく、原料となる鉱山を豪州と南アフリカに持ち、掘る工程から顔料に仕上げる工程までを一社で通している点で、同業と成り立ちが違う。
2025年は、オランダのBotlek工場を閉め、中国・福州の工場を止め、四半期配当を6割減らし、$400Mの担保付き社債で手元資金を厚くする守りの年になった。採掘の副産物であるモナザイトを、中国依存の強い希土類の代替供給源に育てる計画が、その中の数少ない攻め筋だ。
バランスシート (要約)
資産 $6.2B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $1.4B(23%)。
本業は赤字で現金を減らしている段階。手元現金は約1年未満分
- 現金・現金同等物$199M
- 他の流動資産$2.1B
- 固定資産$4B
- 流動負債$919M
- 長期借入金$3.1B
- 短期借入金$39M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $2.9B
- 売上成長率
- −5.7%
- 粗利率
- 9.3%
- 営業利益率
- −8.7%
- 純利益率
- −16.2%
- ROE
- −33.1%
- ROIC
- −4.3%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $60M
- フリーCF
- −$281M
- 営業CFマージン
- 2.1%
- 現金ランウェイ
- 1年未満
配当
- 配当総額(年間)
- $48M
- 配当性向
- —
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