栄養素をカプセルで包んで狙った場所で溶かす技術を、人の食品にも牛の飼料にも同じ芯として使い回している。一方で滅菌ガスは自社で合成せず、専用のドラムとボンベ、5カ所の充填拠点という設備で預かる側の立場を握る。
人向けにはコリンやミネラルのアミノ酸キレート、ビタミンK2を作り、家畜向けには乳量を支える被覆した飼料添加物と塩化コリンを売る。3つ目は詰め替えの商売で、滅菌用の酸化エチレン、ナッツや香辛料に使う酸化プロピレン、冷媒のアンモニアを専用容器で世界へ配る。
酪農の市況が冷えると被覆した飼料添加物の数量が落ち、詰め替えの側は容器と5カ所の充填拠点という重い設備を抱えたまま回転だけが鈍る。EPAが酸化エチレンの使用条件をさらに絞れば、香辛料向けで決まった段階的な縮小が医療機器向けにも及びかねない。
2015年にCEOとなり2017年から会長を兼ねるTheodore Harris氏の下、ニュージャージー州モントベールの本社から3つの事業を回している。130件を超える特許より製法と配合のノウハウで差がつくと自ら書くほど、目に見えない現場の技術に資源を寄せる。
酪農や畜産の採算が飼料添加物の売れ行きを決め、原材料の値上がりを製品価格へ移せるかで利益率が動く。滅菌ガスのほうは、EPAが2025年1月に医療機器向けの登録を継続すると決めた判断が、この事業の寿命をそのまま決めている。
この会社をどう読むか
Balchem を栄養原料の会社とだけ覚えると、事業の一角が抜け落ちる。人と家畜に売る栄養素の隣に、医療機器を滅菌する酸化エチレンを専用容器で詰め替えて配る、毛色のまったく違う商売があるからだ。
このガスは自社で合成するわけではなく、容器と充填拠点を持つ配り手の立場で稼ぐ。だからEPAがこのガスをどう扱うかという一点が、栄養原料の売れ行きとは関係なく一事業の先行きを決める。
バランスシート (要約)
資産 $1.7B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $1.3B(75%)。
開示から読める範囲では借金は軽い
- 現金・現金同等物$75M
- 他の流動資産$291M
- 固定資産$1.3B
- 流動負債$176M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $1B
- 売上成長率
- 8.8%
- 粗利率
- 35.7%
- 営業利益率
- 20.2%
- 純利益率
- 14.9%
- ROE
- 12.3%
- ROIC
- —
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $217M
- フリーCF
- $173M
- 営業CFマージン
- 20.9%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
- 配当総額(年間)
- $28M
- 配当性向
- 18.3%
BCPC の掲示板
ログイン状態を確認しています…
読み込み中…