HXL
Hexcel Corporationどの炭素繊維を使えるかは航空機メーカーの認定で決まるため、いったん機種に採用されると生産が続く限り置き換えられにくい。前駆体から繊維、樹脂、成形部品までを社内に揃えた企業は世界でも数えるほどしかない。
炭素繊維や、それを樹脂に染み込ませたプリプレグ、ハニカム構造の芯材を売る複合材部門が売上の約8割。残りは、その素材を使って主翼パネルや回転翼の羽根まで自社で成形する部品部門が担う。
旅客機の増産計画が延期されると、複合材の受注は数四半期単位でずれ込む。感染症や燃料高で航空需要そのものが冷えれば、民間機向けが売上の61%を占めるだけに落ち込みも大きい。
2025年はオーストリアの産業向け複合材事業とハートフォードの3Dプリント事業を手放し、ベルギーの工場も閉じて、航空機用の炭素繊維に絞り込んだ。同じ年に$600Mの自社株買い枠を決め、うち$350Mは前倒しで執行している。
2025年の売上の39%はエアバスとその下請け、13%はボーイングとその下請けが相手で、両社の受注残1万5千機分をどれだけ機体に変えられるかで出荷量が決まる。繊維の原料となるPAN前駆体はアクリロニトリルから自社で作るため、その調達が細れば繊維の生産まで止まる。
この会社をどう読むか
Hexcel Corporationの複合材は、完成した旅客機を見ても目に入らない。主翼の桁や胴体の外板の内側で、金属よりも軽い骨格そのものになっているからだ。
この会社の強さは、機種ごとの認定という見えない壁にある。いったん採用されれば長く供給が続く代わりに、新型機の増産が遅れれば注文も丸ごと後ろへずれる。2025年には利益の出にくい風力向けの産業事業を手放し、航空機に集中する方向へ舵を切った。
バランスシート (要約)
資産 $2.7B のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $1.3B(46%)。
借金が軽く手元資金も厚い。安全度は最高水準
- 現金・現金同等物$71M
- 他の流動資産$660M
- 固定資産$2B
- 流動負債$323M
- 長期借入金$993M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率・D/E。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $1.9B
- 売上成長率
- −0.5%
- 粗利率
- 23.0%
- 営業利益率
- 9.1%
- 純利益率
- 5.8%
- ROE
- 8.7%
- ROIC
- 6.0%
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $231M
- フリーCF
- $157M
- 営業CFマージン
- 12.2%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
- 配当総額(年間)
- $54M
- 配当性向
- 49.3%
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