OSPN
OneSpan本人確認と電子署名という、契約が成立するまでの二つの関門を一社で担う点が同業と違う。足りない技術は外から買って補う構えで、2025年6月にNok Nok Labsを取り込み、年末にはドイツBuild38の買収でも合意した。
主力は二つ、なりすましを防ぐ認証の技術と、契約を画面上で交わす電子署名やID確認だ。かつては暗証を表示する小さな専用機Digipassを売る商売だった。その売上構成比は2015年の78%から2025年には20%まで縮み、いまはアプリで動くソフトの利用料が主戦場だ。2025年6月には米Nok Nok Labsを買収し、パスワードを使わない認証技術を取り込んだ。
専用機の売上が縮む速さにソフトの伸びが追いつかない年は、利益が薄くなる。認証の分野はFIDOという業界標準を軸に競合がひしめき、大手のID管理会社とも取り合いになる。少数の大口銀行に売上が偏るため、1社の解約が響きやすい。
2025年に配当と自社株買いで約$31.6Mを株主へ戻す一方、開発トップと営業トップを立て続けに外部から迎え、買収も重ねる攻めの姿勢を保つ。
銀行が本人確認にどれだけ予算を割くか、そして専用機からソフトへ乗り換えた既存の銀行がそのまま契約を続けるかに左右される。世界の主要銀行100行のうち6割強がすでに顧客であり、そこからの離脱は業績に直結する。
この会社をどう読むか
OneSpanは銀行の本人確認や電子署名を売る会社という第一印象で終わりがちだが、実はここ10年で商売の中身がそっくり入れ替わっている。
かつて売上の8割近くを占めた、暗証を表示する小さな専用機は、2025年にはわずか2割まで縮んだ。代わりに伸びたのは、アプリで完結する認証と、契約をネット上で交わす電子署名の利用料だ。世界の主要銀行100行の6割超という客の土台はそのままに、売るものだけを入れ替えて生き延びてきた会社である。
バランスシート (要約)
資産 $398M のうち、借金などの負債を引いて株主のものと言えるのは $272M(68%)。
開示から読める範囲では借金は軽い
- 現金・現金同等物$70M
- 他の流動資産$102M
- 固定資産$225M
- 流動負債$115M
この判定で見た指標: 流動比率・自己資本比率。
収益性 (TTM)
- 売上高
- $243M
- 売上成長率
- 0.0%
- 粗利率
- 73.8%
- 営業利益率
- 19.9%
- 純利益率
- 30.0%
- ROE
- 26.8%
- ROIC
- —
キャッシュフロー (TTM)
- 営業CF
- $59M
- フリーCF
- $50M
- 営業CFマージン
- 24.4%
- 現金燃焼
- なし(CFは流入)
配当
- 配当総額(年間)
- $18M
- 配当性向
- 25.3%
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