金曜の米国株は4日ぶりに上げた。
ダウは0.98%高の52,573.29で、509ドル上げた。S&P 500は0.86%高の7,656.98、ナスダックは0.96%高の26,333.04である。
ラッセル2000は0.45%高と小幅だった。恐怖指数と呼ばれるVIXは15.85まで下げている。ただし週間で見ると、主要な指数はそろって下げて終えた。
8月の消費者物価は3.4%高。予想どおりでも利上げの確率は9割に
朝8時半、米労働統計局が8月の消費者物価を発表した。
前月比0.4%高、前年同月比3.4%高で、市場の予想どおりだった。食品とエネルギーを除いた指数は前月比0.3%高で、こちらは予想をやや上回っている。
月の上げ幅の3分の1超は、3.9%上がったガソリンで説明が付く。
それでも金融政策の見方は、さらに引き締めの側に傾いた。CMEのフェドウォッチでは、9月16日の会合で利上げがある確率が約9割になった。前日は7割前後だった。
原油は2%安。月曜にオマーンでイランと湾岸諸国が会う
この日の株を支えたのは原油である。
イラン外務省の報道官が、14日の月曜にオマーン南部のサラーラで湾岸諸国と会うと明らかにした。ホルムズ海峡の扱いを話し合う。戦闘が始まってから、初めての顔合わせになる。
報道では北海ブレントが2.8%安の$104.61、米国産原油が2.4%安の$100.05で清算した。サイト掲載のWTIは2.05%安の$100.38である。
もっとも、週間ではブレントが8.7%上げている。原油高そのものが片付いたわけではない。
10年債利回りは一時4.979%と、2023年終盤以来の高さを付けた。サイト掲載の終値は4.97%だった。
オラクルの決算で、買われたのはサーバーを売る側だった
- 情報技術▲1.05%
- 資本財▲0.79%
- 一般消費財▲0.58%
- コミュニケーション・サービス▲0.57%
- 金融▲0.10%
- 不動産▼0.02%
- 生活必需品▼0.12%
- ヘルスケア▼0.28%
- エネルギー▼0.28%
- 公益事業▼0.35%
- 素材▼0.35%
11業種で最も上げたのは情報技術の1.05%高だった。資本財の0.79%高が続き、素材や公益事業など6業種は下げている。
木曜の引け後に決算を出したオラクルは、売上が30%増えて予想を上回った。受注残は$664Bと過去最高である。
株価は時間外で4%上げたものの、金曜は1.74%安の$150.28で引けた。
代わりに買われたのは、オラクルが設備を買う先だった。デル・テクノロジーズが11.98%高、ヒューレット・パッカード・エンタープライズが12.44%高、スーパー・マイクロ・コンピューターが7.28%高である。
DELLDell Technologies▲11.98%
HPEHewlett Packard Enterprise▲12.44%
HPQHP Inc▲8.40%
SMCISuper Micro Computer▲7.28%
ORCLOracle▼1.74%
パソコンのHPも8.40%高だった。デルとHPは、RBCキャピタルがこの日新たに調査を始めた銘柄でもある。事情は深掘りに書いた。
配線も買われた。アリスタ5.61%高、シスコ4.37%高
データセンターの中をつなぐ会社も上げた。
アリスタ・ネットワークスが5.61%高、シスコシステムズが4.37%高、光通信のシエナが4.48%高である。報道では、シスコはダウ30銘柄で最も大きく上げた。
24/7 Wall St.は、3社を同時に動かす個別の発表は無かったと指摘している。お金が「配線」の層にまとめて移った動きだという。
ANETArista Networks▲5.61%
CSCOCisco Systems▲4.37%
CIENCiena▲4.48%
MRVLMarvell Technology▲4.03%
半導体のマーベル・テクノロジーも4.03%高となった。パイパー・サンドラーが、目標株価$270で強気の調査を始めている。事情は深掘りに書いた。
今年3倍のシーゲイトは3.73%安
同じハードウェアでも、記憶装置は売られた。シーゲイト・テクノロジーが3.73%安、サンディスクが3.50%安である。
シーゲイトの株価は今年に入って3倍になっている。会社の発表や格付けの変更は無く、報道は利益確定の売りとみている。
消費者心理は47.8。1年先の物価予想は4.6%
10時に出たミシガン大学の消費者心理指数は47.8で、8月の51.7から下げた。予想の51.0も下回っている。
1年先の物価の予想は、4.0%から4.6%に上がった。家計は値上がりがまだ続くと見始めている。事情は深掘りに書いた。
原子力はUBSの売り推奨で崩れた
金利が上がる局面で売られやすいのは、稼ぐ前に多額の建設費を払う会社である。
ニュースケール・パワーが15.67%安、オクロが9.18%安、ウラン濃縮のセントラス・エナジーが8.18%安となった。
SMRNuScale Power▼15.67%
OKLOOklo▼9.18%
LEUCentrus Energy▼8.18%
ヴァイコー11.15%高。AI向け電源の工場用地を2か所買った
電源部品のヴァイコーは11.15%高となった。ニューハンプシャー州で工場用地を2か所取得し、第2・第3工場を建てると発表している。
マサチューセッツ州の第1工場は、稼働率が上限に近いという。同社は、AI向けの半導体に電力を届ける部品を作っている。
深掘り
- オラクル1.74%安、デル11.98%高。買われたのは設備を売る側
- 消費者心理が47.8に沈んだ。1年先の物価予想は4.6%
- ニュースケール15.67%安。UBSが売りに下げ、オクロも9.18%安
- ネットワーク株がそろって4〜5%高。個別の発表は無かった
- コパートがACVを$1.9Bで買う。44.18%高でも買値に届かない
次に見るのは14日のオマーンと16日の会合
月曜のオマーンでの協議が、原油の次の向きを決める。海峡の扱いに道筋が付けば、物価と金利の前提も一緒に変わる。
16日の水曜には、連邦公開市場委員会の結果が出る。利上げを約9割織り込んだ市場が、声明で何を確かめるかを見たい。
