木曜の米国株は、上げた場所がはっきり分かれた。
ナスダックが1.57%高の26,541.35、S&P 500が0.72%高の7,730.99である。一方でダウは0.20%高、小型株のラッセル2000も0.28%高にとどまった。
きっかけは前日の引け後に出たエヌビディアの決算だった。ただし、その恩恵を受けたのは半導体ではなかった。
エヌビディアは来期およそ70%の増収を示した
数字そのものより、次の1年の見通しが効いた。
エヌビディアの5〜7月期の売上は$96.2Bで、前年比106%増。市場予想の$92.2Bを上回った。データセンター部門は過去最高の$89.0Bである。調整後の1株利益$2.22も予想$2.09を超えた。
株価を動かしたのは、次の会計年度の売上がおよそ70%伸びるという会社の見通しだった。AIへの投資がどこかで止まるのではないか、という疑いがひとまず引いた。
株価は8.74%高の$227.98。時価総額は$5.5Tを超え、世界首位に戻っている。
半導体は連れ高せず、AMDは0.89%安だった
AI投資が続くという話なら、半導体全体が上がってもよさそうに見える。
実際にはそうならなかった。AMDは0.89%安、マイクロンは0.32%安、サンディスクも0.96%安である。上げたのはブロードコムの4.49%高くらいだった。
エヌビディアの好調は、同じ市場を分け合う会社にとって必ずしも朗報ではない。読み手が受け取ったのは「AI設備投資は続く」であって、「半導体がみな売れる」ではなかった。
NVDANVIDIA▲8.74%
AVGOBroadcom▲4.49%
AMDAdvanced Micro Devices▼0.89%
MUMicron Technology▼0.32%
SNDKSandisk▼0.96%
上げたのはソフト。セールスフォースが22.58%高
資金が向かった先は、AIを売り物にするソフトウェアだった。ソフト関連のETFは1日で6.5%上げている。
セールスフォースが22.58%高の$252.05で、超大型株の上昇率首位に立った。5〜7月期の売上は$11.35Bで前年比11%増。AI事業のAgentforceとData 360の年間経常収入が$3.9Bを超え、前年比210%以上伸びたことが評価された。通期の売上見通しも$46.1B〜46.4Bへ引き上げている。
同社はあわせて、アンソロピックとの提携拡大も発表した。
CRMSalesforce▲22.58%
OKTAOkta▲28.63%
CRWDCrowdStrike▲20.50%
VEEVVeeva Systems▲15.20%
SNPSSynopsys▲13.39%
決算を出した他社も強い。認証のオクタが28.63%高、クラウドストライクが20.50%高だった。
製薬向けソフトのヴィーバ・システムズは15.20%高、半導体設計のシノプシスも13.39%高である。
決算を出していない銘柄まで動いた。設計ソフトのフィグマが13.28%高、アトラシアンが10.18%高である。「AIに仕事を奪われる側」として売られてきた一群が、この日は逆に買われた。
セクターで上げたのは5つ。生活必需品は1.33%安
11セクターのうち上げたのは5つで、首位は情報技術の1.76%高だった。
- 情報技術▲1.76%
- エネルギー▲1.09%
- 素材▲0.48%
- 資本財▲0.13%
- 金融▲0.06%
- 公益事業▼0.45%
- ヘルスケア▼0.47%
- 不動産▼0.55%
- コミュニケーション・サービス▼0.78%
- 一般消費財▼1.06%
- 生活必需品▼1.33%
下から数えたほうが早いのが生活必需品の1.33%安、一般消費財の1.06%安である。消費に関わる決算が、そろって弱かった。
ホーメル・フーズは10.25%安。通期の売上見通しを引き下げ、販売数量は7.4%減っている。バーリントン・ストアーズは7.64%安で、こちらは関税の還付$55Mを全額値下げに回すと述べたためだ。
HRLHormel Foods▼10.25%
BURLBurlington Stores▼7.64%
CELHCelsius Holdings▼6.36%
エナジードリンクのセリシウス・ホールディングスも6.36%安。ドイツ銀行が投資判断を引き下げ、主力ブランドの回復時期が2027年度へ先送りされた点を挙げた。
