FRBが3年ぶりの利上げを決めた翌日、米国株は上げた。
ナスダックは1.69%高の26,418.30、S&P 500は1.14%高の7,637.76である。ダウは316.14ドル高の51,778.04で引けた。
前日に大きく下げたのはダウで、銀行株が重しになった。ナスダックはその日ほぼ横ばい(0.01%安)だったので、この日の上げは下げの穴埋めではない。
ウォーシュ議長のタカ派ぶりが、一日おいて安心材料になった
売りの原因だったはずのものが、この日は買いの理由として読み直された。
FRBは前日、政策金利を0.25%上げて3.75〜4.00%にした。ウォーシュ議長の会見が始まると、株はそこから崩れた。
AOL(Yahoo Finance配信)は、その強い語り口がFRBのインフレ退治への信認を取り戻すのに役立った、とアナリストが受け止めたと伝えた。
WTIは1.12%安の$101.28、10年債利回りは4.95%へ
もう一つの支えは原油である。
AOLによると、ライト米エネルギー長官が、止まっていたサウジアラビアの東西パイプラインがまもなく動くと話した。サイト掲載のWTIは1.12%安の$101.28である。
このパイプラインが止まった経緯は9月15日号の記事に書いた。動き出せば、供給の心配がひとつ減る。
10年債利回りは4.95%へ下がった。前日の5.01%から0.06下げている。
ARM8.57%高、インテル7.67%高。上げ上位は半導体で埋まった
超大型株の上げ上位5社は、すべて半導体だった。
ARMARM Holdings▲8.57%
INTCIntel▲7.67%
AMDAdvanced Micro Devices▲6.36%
SNDKSandisk▲6.21%
MUMicron Technology▲5.50%
ARMホールディングスが8.57%高、インテルが7.67%高、アドバンスト・マイクロ・デバイセズが6.36%高である。メモリーのサンディスクは6.21%高、マイクロン・テクノロジーは5.50%高だった。
インテルには個別の材料があった。前日にロイターが報じた、SKハイニックスとオハイオ州でメモリーを作る案の協議である。協議の中身は前日の号の記事に書いた。
11業種で下げたのは、コミュニケーション・サービスの0.42%安だけ
- 素材▲1.91%
- 情報技術▲1.68%
- ヘルスケア▲1.40%
- 資本財▲0.91%
- 公益事業▲0.58%
- エネルギー▲0.46%
- 一般消費財▲0.34%
- 不動産▲0.29%
- 金融▲0.27%
- 生活必需品▲0.15%
- コミュニケーション・サービス▼0.42%
11業種のうち10業種が上げた。最も高いのは素材の1.91%高で、情報技術の1.68%高が続く。
下げたのはコミュニケーション・サービスの0.42%安だけである。
TMUST-Mobile US▼5.57%
CMCSAComcast▼3.46%
VZVerizon Communications▼2.87%
TAT&T▼1.82%
Tモバイルが5.57%安、コムキャストが3.46%安、ベライゾン・コミュニケーションズが2.87%安、AT&Tが1.82%安である。
Investing.comは、借り入れの重い通信は金利の上昇がそのまま利益に響くと伝えた。なぜこの4社が横並びで下げたのかは深掘りに書いた。
ジェネラック18.34%高、アマゾンが最大$8Bの発電機を買う
この日いちばん大きく上げた大型株は、発電機の会社だった。
ジェネラック・ホールディングスは18.34%高である。SECへの提出資料によると、アマゾン・ドット・コムのデータセンター向けに、最大$8Bの非常用発電機を供給する契約を結んだ。契約の条件と、同じ日に450MWを受注したガスエンジン会社の話は深掘りに。
下院が417対3で可決、オクロ11.31%高
同じ「データセンターの電気」でも、議会の側から動いた話もある。
下院は前日、州の公益事業の規制当局に、大口のデータセンターへ送電網の増強費用を負担させる料金の仕組みを検討させる法案を417対3で可決した。小型原子炉の会社が買われ、オクロは11.31%高、ニュースケール・パワーは8.92%高だった。
決めるのは州なので、効き方はこれから分かれる。法案の中身は深掘りに。
オートネーション10.49%安、販売店株が総崩れ
一方で、車の販売店は売られた。
ANAutoNation▼10.49%
SAHSonic Automotive▼9.27%LADLithia Motors▼5.17%
ABGAsbury Automotive Group▼3.74%
オートネーションが10.49%安、ソニック・オートモーティブが9.27%安である。リシア・モーターズは5.17%安、アズベリー・オートモーティブ・グループは3.74%安だった。
Seeking Alphaによると、オートネーションは投資家会議で整備部門の伸びの鈍りと価格の高さに触れた。1社の説明が業界全体に広がった筋道は深掘りに。
シュレディンガー26.37%高、テンパスAI14.85%高
ヘルスケアは1.40%高で、業種では3番目に高い。
シュレディンガーが26.37%高、テンパスAIが14.85%高だった。材料は別々だが、どちらも計算やデータで薬と診断を進める会社である。2社の材料の違いは深掘りに。
ジャクソン・ファイナンシャル5.63%安、空売りの報告書が出た
ジャクソン・ファイナンシャルは5.63%安だった。
Benzingaによると、空売り筋のBear Caveが、傘下の再保険会社に関する会計を問う報告書を出した。変額年金の保証に絡む債権の大きさを問題にしている。
深掘り
- ジェネラック18.34%高。アマゾンが最大$8Bの発電機を買う
- 下院417対3 ── データセンターに送電網の増強費用を払わせる
- オートネーション10.49%安。会議での説明で販売店株が総崩れ
- 11業種で下げたのは通信だけ。Tモバイルは5.57%安
- シュレディンガー26.37%高。AIで薬を作る側に、資金が戻ってきた
次に見るのは、年内もう1回の利上げがあるか
この日の上げは、利上げそのものが歓迎されたという意味ではない。金利の先行きの読み方が、一日で変わっただけである。
AOLによると、FRBは年内にもう1回の利上げを見込んでいる。10年債利回りが5%の下にとどまるかどうかが、次の手がかりになる。

