火曜の米国株は下げた。ただし、下げ方が指数によってまるで違う。
S&P 500が0.58%安の7,673.52、ナスダックが0.32%安の26,421.41。ダウは1.18%安の52,786.07で、628ドル下げた。
ナスダックの3倍以上である。値がさの安定株が並ぶ指数だけが、大きく削られた。
フーシ派がサウジの石油施設を止め、WTI原油は2.79%高
イエメンのフーシ派が火曜、サウジアラビア南部に弾道ミサイルと無人機を撃ち込んだ。サウジ主導の連合は73人が負傷したと発表している。
狙われたのは石油施設と空軍基地だった。ジザンには日量400,000バレルの製油所がある。サウジのエネルギー省は、一部の施設で操業を止めたと述べた。
WTI原油は2.79%高の$94.03で引けた。銅も2.72%高。金は0.57%安である。
長期金利も小幅に上げた。10年債が4.81%、2年債が3.78%、30年債が5.26%。8月の雇用統計が強かった流れがまだ残っている。
ダウを削ったのは、アムジェン1銘柄の$44安
ダウは30銘柄の株価を足して割る指数である。株価の高い銘柄が動くと、指数への効きがそのぶん大きい。
アムジェンは10.08%安の$393.17。前日の$437.23から1株$44下げた。この日のダウで最大の下げ幅である。
続いたのはセールスフォースの3.90%安、ホーム・デポの2.29%安だった。上げたのはキャタピラーの1.05%高などわずかである。
AMGNAmgen▼10.08%
CRMSalesforce▼3.90%
HDHome Depot▼2.29%
SHWSherwin-Williams▼2.28%
CATCaterpillar▲1.05%
ノバルティス13.93%安。試験が3つまとめて外れた
アムジェンが売られた理由は、自社ではなく他社の失敗にある。
ノバルティスが13.93%安。心血管薬ペラカルセンが第3相試験の主要評価項目を達成できなかったと発表した。8,323人が参加した試験である。
同じ日に、筋強直性ジストロフィーの薬デル・デシランも第3相で外れた。同社の株価は記録的な下げ幅になった。
アムジェンは、ペラカルセンと同じLp(a)という物質を下げる薬を第3相で走らせている。仕組みそのものが疑われて10.08%安となった。
NVSNovartis▼13.93%
AMGNAmgen▼10.08%
DYNDyne Therapeutics▼16.35%
SRPTSarepta Therapeutics▼6.93%IONSIonis Pharmaceuticals▼2.38%
事情は深掘りに書いた。
インテル9.05%高。値上げの報道が買われた
下げた市場で最も上げた超大型株はインテルだった。9.05%高の$104.47である。
材料は、10月初めにパソコン向けCPUをおよそ1割値上げするという供給網の報道だった。数量を追わず、1個あたりの利益を守る動きと受け止められている。
同じ日、コーニングも7.56%高となった。ベライゾンと光ファイバーの複数年契約を結んだためである。どちらも深掘りに書いた。
カナダの報復関税が発効した
カナダは火曜の午前0時1分、米国製品CA$27.6Bぶんに報復関税をかけた。税率は15%・25%・50%の3段階である。
対象は鉄鋼、乳製品、家電、農業機械、紙・パルプ、電子機器。米国がカナダ製品に50%の関税をかけたことへの対抗措置になる。
守られる側に見える鉄鋼は、しかし下げた。ニューコアが1.79%安、クリーブランド・クリフスが1.68%安である。
家電のワールプールは4.30%安、農業機械のディアは1.85%安だった。輸出できなくなる側が先に効いている。
11業種で上げたのは2つだけ
- エネルギー▲1.02%
- 公益事業▲0.49%
- 情報技術▼0.37%
- 資本財▼0.48%
- 素材▼0.64%
- 不動産▼0.68%
- 金融▼0.70%
- コミュニケーション・サービス▼0.79%
- ヘルスケア▼1.20%
- 生活必需品▼1.20%
- 一般消費財▼1.79%
上げたのはエネルギーの1.02%高と、公益事業の0.49%高だけだった。
下げ幅が最大だったのは一般消費財の1.79%安である。重かったのは旅行だった。エクスペディアが7.88%安、ブッキングが6.72%安、エアビーアンドビーが4.07%安と揃って下げている。
3社とも固有の発表は出ていない。燃料の高さと消費の先行きが、同じ方向に効いた形である。
深掘り
- ノバルティス13.93%安。1日で3つの試験が外れ、アムジェンまで10%安
- インテル9.05%高。値上げの報道が、株価を上げる材料になった
- カナダの報復関税が発効。守られるはずの鉄鋼が下げた
- SKハイニックス4.83%高 ── メモリはスマホからAIへ移った
- コーニング7.56%高。ベライゾンと6年分の光ファイバーを決めた
補足
大型の上げ幅首位はロイバント・サイエンシズの18.75%高だった。肺の高血圧の薬が第2相試験で、血管の抵抗をプラセボ比56.3%下げている。
ストライカーは8.81%安。医療機器の会議で、末梢血管の製品の供給不足が第4四半期まで続くと説明した。同業のジンマー・バイオメットも3.93%安である。
ROIVRoivant Sciences$41.48▲18.75%大型の下げ幅首位はハウメット・エアロスペースの10.70%安だった。同社の発表は無く、この日の下げの理由は確認できていない。
指数の変更も動いた。9月21日からブルーム・エナジーとイルミナがS&P 500に入り、モルソン・クアーズとトレード・デスクが外れる。ブルーム・エナジーは9.63%高となった。
